音楽と人生に関する一考察

The Beach Boys / God Only Knows

ペット・サウンズPet Sounds
the Beach Boys



とっても幸せな夢を見た後、目覚めたら暗い部屋に一人でぽつんといたときの淋しさのような、宝石のような輝きとガラス玉のような痛みを湛えた名盤、ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』。
サーフィンやホット・ロッドのきらめく青春を輝かしく歌ってアメリカン・ドリームを手に入れたビーチ・ボーイズ。ブライアン・ウィルソンはふと夢から現実に戻されたように自意識の中へ深く沈みこんでいった果てに、永遠の輝きを持つこのレコードを生み出したのだ。
「より深く夢見たものは、より深く罰せられる」というのは誰の言葉だっただろうか?
人間以外の生き物が夢を見るのかどうかは知らないけれど、本当は人は素敵な夢など見てはいけない生き物なのかもしれない、と思う。その夢が見せる心地よさに蝕まれた時、現実の世界を生きることができなくなってしまうから。
それでも人は夢を見る。
ならば、どんなに深く罰せられようとそれを乗り越えることができるくらい素敵で幸せな夢を見たい。
あの幸せな気持ちと引き換えならばこの程度の痛みは大したことではない…と思えるくらいの素敵な夢を見ることができるのならば、それはそれで、全く夢を見なかった生き方よりもきっと素敵なのだと思う。

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♪God only knows
I may not always love you
But long as there are stars above you
You never need to doubt it
I'll make you so sure about it

God only knows what I'd be without you

If you should ever leave me
Though life would still go on believe me
The world could show nothing to me
So what good would living do me?

God only knows what I'd be without you
God only knows what I'd be without you

If you should ever leave me
Well life would still go on believe me
The world could show nothing to me
So what good would living do me?

God only knows what I'd be without you
God only knows what I'd be without you

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いつもあなたを愛していたのではなかったのかもしれない
けど、あなたの頭上に必ず星があるように
あなたがそれを疑うことなど決してないように
僕はあなたの存在を確かに受け止める人でありたいと願っている

あなたなしの僕がどうなってしまうのかは
神様のみが知り給う

もしあなたが僕から永遠に去ってしまったとしても
人生は続いてゆくけれど
あなたのいない世界は僕には何一つもたらさない
どんな善いことがあるっていうのだろう?

あなたなしの僕がどうなってしまうのかは
神様のみが知り給う

The Beatles / And I Love Her

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A Hard Day's Night
The Beatles
1964

この一週間、なぜだかビートルズばかり聴いていた。とりわけ初期の、青春の始まりのような怖いもの知らずの威勢のよさや、若さならではの無邪気さや、恋の始まりの頃のドキドキした気分を感じさせてくれる瑞々しい楽曲の数々を。
1960年代初頭、古いモラルが跋扈する世の中でビートルたちは、ただ自分たちの好きなことを演る、そのことだけが自分たちのやりたいことだとばかりに、大好きなR&BやR&Rを若さの勢いに任せて演奏していた。きっとただそれだけでよかったはずなのに、彼らの演奏はあまりにも素直でわかりやすく、それは自由な時代の幕開けの気分にあまりにもマッチしてしまって、あっという間に世界的なスーパースターになってしまった。そのことが彼らにとって幸福だったのか不幸だったのかはもはやよくわからないけれど、スーパースターに押し上げられた彼らの演奏からは、少しずつ、その無邪気さや瑞々しさが失われてゆくのだった。

ビートルズの3作目[A Hard Day's Night]の演奏から聴こえてくるのは、そんなめまぐるしく変わる自分たちを取り巻く環境を蹴散らすように、ノリにノッた状態の、トップスピードにのったビートルズ。世間が求めるものと自分たちがやりたかったことの奇跡的な一致がここにはある。それは、例えば恋が始まって深まって行く時期に、お互いに同じものを見て同じものを求め合う様子にも似て、奇跡的かつたった一度しか訪れない幸福な瞬間なのだと思う。
そしてそんな中に潜むほんの少しの翳り。
例えば、“And I Love Her”。甘い甘いラブソングなのに、なぜか悲しみの匂いが滲んでいるのは何故なんだろう。

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♪And I Love Her
I give her all my love
That's all I do
And if you saw my love
You'd love her too
I love her

She gives me ev'rything
And tenderly
The kiss my lover brings
She brings to me
And I love her

A love like ours
Could never die
As long as I
Have you near me

Bright are the stars that shine
Dark is the sky
I know this love of mine
Will never die
And I love her

Bright are the stars that shine
Dark is the sky
I know this love of mine
Will never die
And I love her
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僕の愛を全部彼女に捧げる
それが僕のできることの全て
もし君が彼女に出会ったなら
君だってそうしたいと思うはず
僕は彼女を愛してる

彼女は僕に何もかもくれる
優しさも
彼女がくれるのは
恋人たちの交す甘いキス
僕は彼女を愛してる

僕らのような愛し合い方はきっと終わることはない
彼女がそばにいてくれる限り

暗い空にも
輝いているのは星
この恋が終わることなんてないって
僕は知ってる
僕は彼女を愛してる

The Beatles / No Reply

Beatles for SaleBeatles for Sale
The Beatles



1964年に発売された2枚のビートルズのアルバム、[A Hard day's Night]と[Beatles For Sale]の間には、決定的な溝がある。暗い部屋のカーテンをさっと開けるようなジャーン、というGのコードで始まる前作とは対照的に、物憂げなジョンのヴォーカルとアコギのカッティングから始まる“No Reply”でスタートするこのアルバムでは、初期の3枚にあった無邪気さは影を潜めてしまった。
クリスマス商戦に発売させるために短時間で録音したからとか、前作ではすべてオリジナルだったのが6曲ものカバー曲が含めれているとか、いわゆるビートルズの作品群の中では地味な作品だが、要はやっつけ仕事で作らされたアルバムなのだと思う。収録された8曲のオリジナルも、あまりにもジョン色・ポール色が濃すぎて、レノン&マッカートニー名義で発表することを控えていたかのような作品が目立つ。それはそれでその後の彼らの展開を考えれば興味深いものではあるにせよ、アウトテイクやB面曲みたいなもの。本当はミニアルバムとか、ジョンやポールのソロシングルとして発表されるべきものだったのかもしれません。
そして、彼らは、そんな風にやっつけ仕事で作品を発表することがたまらなく嫌で、そのことに対するあてつけのように[Beatles For Sale]=「ビートルズ大売出し!」なんてタイトルをつけた。にもかかわらずこれが売れまくるものだから、彼らはますます嫌気がさして、もう何でもいいやん、とばかり、後に革新的と評価される実験的な作品作りに手を染めて行ったのではないだろうか…などと思ったりする。いや、もちろんこれは史実ではなくあくまで僕の個人的な主観です。このアルバムを否定しているわけではもちろんありません。
ただ、彼らはこの頃改めて、おいしい商売にのっかってメディアに踊らされる「芸能人」になってしまうことを拒否し、「売れるものに迎合する」のではなく「自分たちのやりたいことをやろう」と誓ったのではないだろうかと思うのだ。ビジネスで割り切ってロックンロールなんてできっこないんだから。

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♪No Reply
This happened once before,
When I came to your door,
No reply.
They said it wasn't you,
But I saw you peep through your window,
I saw the light, I saw the light,
I know that you saw me,
'cos I looked up to see your face.

I tried to telephone,
They said you were not home,
That's a lie,
'cause I know where you've been,
I saw you walk in your door,
I nearly died, I nearly died,
'cause you walked hand in hand
With another man in my place.

If I were you I'd realize that I
Love you more than any other guy,
And I'll forgive the lies that I
Heard before when you gave me no reply.

I've tried to telephone,
They said you were not home,
That's a lie,
'cause I know where you've been,
I saw you walk in your door,
I nearly died, I nearly died,
'cause you walked hand in hand
With another man in my place.

No reply, no reply.
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前にもこんなことがあった
僕は君の扉の前
なのに返事がない
君はいないとみんなは言うけど
窓の隙間から覗き見てみたら
明かりが灯っていた
明かりが灯っていたんだ
僕が見上げた窓から
君も僕を見ていたんだってわかってる

電話してみたんだ
君はいないとみんなは言うけど
それは嘘
君はきっといる
部屋に入っていくのを見たんだもの
死んでしまいそうだ
死んでしまいそうだ
僕のいた場所で
別の男と君が手をつないでる

もし僕が君だったら
どんな男よりも君を愛してるってことを
もっとよくわかるのかな
君から返事をもらえたら
嘘の事なんてきっと許してしまうのに

電話してみたんだ
君はいないとみんなは言うけど
それは嘘
君はきっといる
部屋に入っていくのを見たんだもの
死んでしまいそうなくらいだ
死んでしまいそうなくらいだ
僕のいた場所で
別の男と君が手をつないでる

返事がない
返事がない

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ジョン・レノン作のこの歌。情けなく嫉妬深い男のかっこ悪いじたばたがアコギのカッティングに乗せて淡々と歌われる。
“I nearly died”ってシャウトがかっこいいのだけれど、この程度のことで「死んでしまいそう」なんて大げさだな…と思ってふと気付いた。
実はこの曲“I nearly died”ってサビだけが一番最初にあって、それと韻を踏む“No reply”ってキーワードから後付で失恋の物語を作ったのじゃないか、と。
ジョンが歌いたかったのは“I nearly died”ってシャウトだけだったのかもしれない。

The Beatles / I'm Only Sleeping

Revolver [FROM US] [IMPORT]Revolver
The Beatles



♪I'm only sleeping
When I wake up early in the morning,
Lift my head, I'm still yawning
When I'm in the middle of a dream
Stay in bed, float up stream

Please don't wake me, no
don't shake me
Leave me where I am
I'm only sleeping

Everybody seems to think I'm lazy
I don't mind, I think they're crazy
Running everywhere at such a speed
Till they find, there's no need

Please don't spoil my day
I'm miles away
And after all
I'm only sleeping

Keeping an eye on the world going by my window
Taking my time

Lying there and staring at the ceiling
Waiting for a sleepy feeling

When I wake up early in the morning,
Lift my head, I'm still yawning
When I'm in the middle of a dream
Stay in bed, float up stream

Please don't wake me, no
don't shake me
Leave me where I am
I'm only sleeping

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朝早くに目が覚めた
頭持ち上げたけど、まだあくびが出る
僕はまだ夢の途中
僕を起こさないで
まだ小川をぷかぷか流されてるんだ
僕を起こさないでください
揺さぶらないでください
どっかへ行ってくれないか
僕はまだ眠っているんだ

みんな僕を怠惰だという
けど僕に言わせればみんな狂ってると思う
あっちこっちへどえらいスピードで走り回って
何が見つかるっていうんだ
誰も必要としてもいないのに

僕の一日を邪魔しないでくれ
僕はずっと遠くにいて
なんだかんだ言っても
僕はまだ眠っているんだ

僕の窓から日長一日
世界が回り続けているのを眺めて過ごしていたい
そこにじっと寝転がって
ただ眠気がやってくるのを待っているんだ

朝早くに目が覚めた
頭持ち上げたけど、まだあくびが出る
僕はまだ夢の途中
僕を起こさないで
まだ小川をぷかぷか流されてるんだ
僕を起こさないでください
揺さぶらないでください
どっかへ行ってくれないか
僕はまだ眠っているんだ
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無職だった頃、いろんなアルバイトをしてきたけれど、真夏は働かないことにしていた。こんな暑い日は、毎日毎日をだらだらと寝そべって過ごすのが大好きだった。今も、実はそうだ。立場上、あくせく働かなきゃいけないし、働かせなきゃいけない。けれどどうも夏は仕事に身が入らない。こんな暑い日にあくせく働くなんてあまりにも馬鹿げている、と本当のところ思っているからだ。こんな日にまでへとへとになるまで働いて一体何がそんなに必要なんだろう。そんなことより、涼しい木陰でお昼寝するような幸せの方が大事なんじゃないのか?なんてつい思ってしまうのだ。
ぐっすりたくさん眠って、おいしいもの食べて、好きな人と愛し合えたら、もうそれで充分。他に必要なのは、素敵な音楽くらいのものだ。

1966年のビートルズ7作目“Revolver”。コンサート活動を休止しスタジオにこもって実験的な音作りにはまり出した頃のビートルズ。いかにもジョンらしいこの曲、いわゆるドラッグであっち側へ飛んでいるときの歌というふうにも読めるし、大量消費社会への批判のまなざしも読み取れるけれど、当時のジョンがショービジネスの世界にどれだけ失望し、そのせいで深く自己の内側へもぐりこんでいったのかがうかがい知れる。
覚めない夢なんてないことを承知の上で、夢が覚めた時にひどい思いをすることも覚悟の上で、何とかもう少し夢を見続けていたいと願っていたんだ。

The Rolling Stones / Before They Make Me Run

Some Girls Some Girls
The Rolling Stones
1978



♪Before They Make Me Run
Worked the bars and sideshows along the twilight zone
Only a crowd can make you feel so alone
And it really hit home
Booze and pills and powders, you can choose your medicine
Well here's another goodbye to another good friend

After all is said and done
Gotta move while it's still fun
Let me walk before they make me run
After all is said and done
I gotta move, it's still fun
I'm gonna walk before they make me run

Watched the taillights fading, there ain't a dry eye in the house
They're laughing and singing
Started dancing and drinking as I left town
Gonna find my way to heaven, `cause I did my time in hell
I wasn't looking too good but I was feeling real well

After all is said and done
I gotta move I had my fun
Let us walk before they make me run
After all is said and done
I did alright, I had my fun
I will walk before they make me run

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バーで酔っ払って、トワイライト・ゾーンに迷い込んだ
人混みの中で孤独を感じてる
ほんと田舎へ帰りたくなるよなぁ
ぶっとびたくなったらヤクは選び放題
また親友とのお別れのときがきてしまったようだ

言いたいこと言ってやりたいことやった後には
まだ楽しみが残っているうちに動き出そう
奴等が俺を追い立てる前に、歩き出させてくれ
言いたいこと言ってやりたいことやった後には
まだ楽しみが残っているうちに動き出そう
奴等が俺を追い立てる前に、歩き出すんだ

テイルランプが消えていくのを見送っていた
家に帰ったら泣かずにいられなかった
俺が街を去る間にも
奴等は笑ったり歌ったり踊ったり酔っ払ったりしてるけど
せめて俺を天国へ連れて行ってくれ
だって生きている間を地獄で過ごしたのだから
決して楽しそうには見えなかったかもしれないけど
それはそれなりに悪くはなかったぜ

言いたいこと言ってやりたいことやった後には
まだ楽しみが残っているうちに動き出そう
奴等が俺を追い立てる前に、歩き出させてくれ
言いたいこと言ってやりたいことやった後には
まだ楽しみが残っているうちに動き出そう
奴等が俺を追い立てる前に、歩き出すんだ

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ビートルズばっかり聴いてたらなんだか弱気になってきてしまった。
甘い夢の後にはひどい仕打ちが待っていることなんて、ずっと前から知っていたんだ。だから甘ったるいのは苦手ってふりをしてきたんだ。だからずっとハードなロックを聴いて、タフなふりをしていたんだ。本当は、そんな夢におぼれてしまうのが怖かったんだ。なのに、気がついたら溺れてしまっていた。どうしようもないくらいに。それはもう、起こってしまったことだからどうしようもないことだ。
せめて、タフでハードな自分を取り戻すために、ストーンズを聴こう。

Before They Make Me Run。
1978年『SOME GIRLS』収録のキースが歌うシンプルなロックンロール。
「奴等が俺を追い立てる前に、歩き出すんだ」ってフレーズ。
それこそがロックンロールな生き方だと思った20年ちょっと前、何にも怖いものなんてなかった。どんな方角にだって歩き出すことができた。
今、歩き出す方角は、歩ける道は限られてしまった。
それでも、歩き出さなきゃいけない。
奴等が俺を追い立てる前に。

Huey Lewis & The News / If This is it

SportsSports
Huey Lewis & The News



それにしても暑い日が続く。今週の天気予報を見ただけでもうなんだかげんなりしてしまった。去年の夏はこんなに蒸し暑かっただろうか?それとも歳をとるごとに抵抗力が弱まってきているのか?こんなクソ暑い日中に野球やってる高校球児たちは一体どんな体力をしているんだ??…そんなことをぼやきながら、暑さをぶっ飛ばすために、そしてブルーな気分をぶっ飛ばしてしまいたくて、暑苦しいアメリカン・ロックを聴いた。
ヒューイ・ルイス&ザ・ニューズの大ヒットアルバム『SPORTS』。
いかにも西海岸のアメリカ人らしい、陽気であっけらかんとした豪快なロックンロールとリズム&ブルース。かちっとジャストでタイトなリズムと、磨き抜かれたコーラスやバンドのアンサンブル。暑い日に激辛のカレー食って汗ダラダラかくような、そんな感じで。

ロックンロールやリズム&ブルースは、音楽の形式としてのブルースを下敷きにビートを補強してスピードを速めた音楽だけれど、【ROCK=岩のような塊が、ROLL=揺らぎ転がる】といったその名称自体に象徴されるように、相反するベクトルを向いた感情を抱えた音楽なのだと思う。
ブルースの名で呼ばれる気持ちの状態から抜け出すために「踊って」しまうこと。一方で、ブルースで表現された痛みや悲しみややるせなさこそが出発点であり拠所であることを受け止めること。そんな相反する気持ちを両方の幅に揺れ動きながら表現する音楽が、ロックンロールなのだ。

結果、ヒューイ・ルイスたちは、確かに暑さはぶっ飛ばしてくれた。けれど、ブルーな気分は吹き飛ばせなかった。むしろ、吹き飛ばそうとすればするほど、遠心分離機にかけたみたいにくっきりと残ったやるせなさの塊だけが残ってしまったような気がする。ヒューイ・ルイスの陽気な声やブルース・ハープの端々から、一見陽気に振舞っている姿の向こう側にある、深い悲しみやどうしようもなさを感じてしまったのだ。例えば、ぱっと聴いただけでは能天気なラブソングに聴こえるこの歌なんかから滲み出すなんともいえないブルース・フィーリング。どうしようもない気分で立ち止まってしまう僕。

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♪If This Is It
I've been phoning night and morning
I heard you say "tell him I'm not home"
Now you're confessing, But I'm still guessing
I've been your fool for so so long
Girl don't lie, just to save my feelings
Girl don't cry, and tell me nothing's wrong
Girl don't try to make up phony reasons
I'd rather leave than never believe

If this is it, Please let me know
If this ain't love you'd better let me know
If this is it, I want to know
If this ain't love baby, just say so

You've been thinking
And I've been drinking
We both know that it's just not right
Now you're pretending
That it's not ending
You'll say anything to avoid a fight
Girl don't lie, and tell me that you need me
Girl don't cry, and tell me nothing's wrong
I'll be alright one way or another
So let me go, or make we want to stay

If this is it , Please let me know
If this ain't love you'd better let me know
If this is it, I want to know
If this ain't love baby, just say so

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夜中にも明け方にも君に電話してみたけれど
「あたしはここにはいないわって彼に伝えてよ」って声が聞けただけ
君は今白状しているけれど
僕はまだ考え込んでいる
君にずっとずっと長い間夢中だった

嘘をつかないで
君はいつも僕を救ってくれた
泣かないで
何も間違ってはいない
電話を取って訳を聞かせて
信じられなくなるくらいなら立ち去った方がいい

もしそうならば教えてほしい
もう愛していないっていうのならそう言ってほしい
もしそうならば知りたいんだ
もし愛じゃないなんていうのなら
いや、違うって言ってくれ

君はずっと考えていた
僕はずっと酔っぱらっていた
それが正しくなかったのかどうかを知りたがっている僕ら
君はまだ終わりじゃないふりをしている
戦いを避けるためならどんなことだって言うのかもね

嘘をつかないで
僕が必要だって言ってくれ
泣かないで
何も間違ってはいない
どうにだってするさ
あっちでもこっちでも
僕を行かせてくれ
いや、やっぱり一緒にいてほしい

もしそうならば教えてほしい
もう愛していないっていうのならそう言ってほしい
もしそうならば知りたいんだ
もし愛じゃないなんていうのなら
いや、違うって言ってくれ

Van Halen / I Can't Stop Loving You

バランスBalance
Van Halen
1995



兄は高校生の頃からハードロック/ヘヴィメタルに狂っていた。田舎町に似合わない長髪とスリムのブラック・ジーンズと鋲のついた革ジャン。そんな兄を持った特権と言うか、兄のいないときによく兄のレコード棚からたくさんのレコードを聴かせてもらった。アイアンメイデン、ジューダスプリースト、スコーピオンズ、マイケルシェンカーグループ、レインボウ、ホワイトスネイク、オジー・オズボーン、AC/DC、ラウドネスにアースシェイカー、そしてヴァン・ヘイレン。どれもこれもエキサイティングで、ハードで、ワイルドで、お下劣で、なんでもいいから刺激的なものが欲しい年頃の少年にぴったりだった。けど、すぐ飽きた。もっと深みのあるかっこいい音楽をたくさん知ったから。僕にとってハードロックやヘヴィメタルは、わかりやすくとっつきやすいけどそれ以上の何でもない、少年ジャンプみたいなものだったのだろう。
そんな中で今も聴けるのはヴァンヘイレンとエアロスミスくらい。彼らの音楽からはかろうじて黒人音楽のルーツのにおいがするから。泥臭かったデイヴ・リー・ロス時代から比べると、サミー・ヘイガー加入以降ずいぶん滑らかになったけれど、おおらかというかアメリカンというか、からっと乾いた豪快さと単純さ、そしてツボを心得たポップさが心地よい。
クソ暑い夏の憂鬱を吹き飛ばすには、これくらいノーテンキで馬鹿げた音楽くらいがちょうどいい。そして、これくらいノーテンキに、バカになりきれたのなら、何にも悩むことなんてないのにな。

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♪Can't Stop Lovin' You
Hey!
There's a time and place for everything. For everyone
We can push with all our might, but nothin's gonna come
Oh no, nothin's gonna change
An' if I ask you not to try, oh could you let it be?

I wanna hold you and say
We can't throw this all away
Tell me you won't go, you won't go
You have to hear me say

I can't stop lovin' you
And no matter what I say or do
You know my heart is true, oh
I can't stop lovin' you

You can change your friends, your place in life
You can change your mind
We can change the things we say, and do any time
Oh no, but I think you'll find
That when you look inside your heart
Oh baby, I'll be there. Yeah!

Hold on. I'm holdin' on
Baby, just come on, come on, come on
I just wanna hear you say

I can't stop lovin' you
And no matter what you say or do
You know my heart is true, oh-oh!
I can't stop lovin' you

Oh, I'm so twisted and tied
And all I remember, was how hard we tried
Only to surrender

And when it's over
I know how it's gonna be
And true love will never die
Or, not fade away

And I can't stop lovin' you
And no matter what I say or do
You know my heart is true, oh
I can't stop lovin' you

And I know what I got to do
Hey Ray, what you said is true, oh
I can't stop lovin' you, oh no
Oh, can't stop lovin' you

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どんなものにも誰にでも時と場所は用意されているけれど
いくら頑張っても何も来ないし変わらない
そんなときに、もう頑張らなくてもいいって言われたところで
もはやそうせずにはいられない
抱きしめてこう言いたい
投げ出すことなんてできっこない
どこへも行かないって言ってくれ
それとも俺がこう言うのを待っているのか?
「きみを愛さずにはいられない、何て言おうと何をしようと、本当だってわかるだろ。きみを好きな気持ちは止めようがない。」

友達を替えることはできる 場所を変えることも 考え方も
言うことだってやることだって変えることは出来る
けど君の心の中をのぞいてみたら
そこに俺がいるのが見えるだろう
抱きしめて
聞かせて欲しい こんなふうに
「あなたを愛さずにはいられない、何て言おうと何をしようと、本当だってわかるでしょ。あなたを好きな気持ちは止めようがない。」

こんがらかって疲れ果ててしまった
思い出すのはどんなに俺たちがここまでやってきたのか
ただ屈服してしまうために?

たとえ終わりの日が来たとしても
本当の愛は死に絶えはしない
消え去りはしないのだから

きみを愛さずにはいられない
何て言おうと何をしようと本当のことなんだ
きみを好きな気持ちは止めようがない

どうすべきかはわかっているんだ
Mr.レイ・チャールズ
あんたの言ってたことは本当だったよ
きみを愛さずにはいられない
きみを好きな気持ちは止めようがない

古謝美佐子 / 天架ける橋

天架ける橋 天架ける橋
古謝美佐子
2001



一時期ちまたに“ヒーリングミュージック”と称されたものが出回っていたけれど、自ら“癒し”を名乗る音楽で癒されたためしはない。癒してあげましょう、なんていう態度がおこがましいのだ。そんな安っぽいもので癒されるほど僕らはまだ心まで支配されてしまったわけじゃない。
この古謝さんのアルバムは本当に心の底から癒される。それは歌っている古謝さんや夫でプロデューサーの佐原さん自身がまず音楽を歌い演奏することで癒されていることがひしひしと伝わってくるからだと思う。おそらく良いことも悪いことも、悦びも嘆きも、ささやかなうれしいことも打ちひしがれるような辛いことも、幾度となくあったであろう、彼女の生きてきた道程の深みがありありと伝わってくる。そんな熟成された古酒のような古謝さんの声。そして意外なほどに沖縄音楽や三線の響きにマッチする弦楽四重奏団。
このアルバムから聴こえてくる音楽が描き出す情景は、過去と現在と未来を、そして彼岸と此岸を結ぶ。
時には自分の遠い先祖を思い、遠い子孫の将来を思い、父や母の生きてきた道のりを思う…そんなことが、今自分がこの世に在る意味を教えてくれるのかも知れない。
お墓参りに行かなきゃね。

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天架ける橋
一ぬ橋 二橋 天架ける橋や
先立ちゃる夫ぬ 手取てぃ渡す

天に舞い昇る あたら母親ゆ
残る子わん孫に 光給ら

忘ることねさみ 我親習や
肝に抱ちしみてぃ 浮世渡ら

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♪童神

井上陽水 / 少年時代

GOLDEN BESTGOLDEN BEST
井上陽水



♪少年時代
夏が過ぎ 風あざみ
誰の憧れにさまよう
青空に残された 
私の心は夏模様

夢が覚め 
夜の中 
永い冬が
窓を閉じて 
呼びかけたままで
夢はつまり 
想い出の後先

夏祭り 宵かがり 
胸の高鳴りに合わせて
八月は 夢花火 
私の心は夏模様

目が覚めて 
夢のあと 
長い影が
夜に伸びて 
星屑の空へ
夢はつまり 
想い出の後先

夏が過ぎ 風あざみ 
だれの憧れにさまよう
八月は 夢花火
私の心は夏模様 

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今日もギンギンに暑かった。観測史上最高気温を各地で記録するなどまさに猛暑。朝からうだる汗、見上げれば灼熱の太陽。
けど、一週間前とはほんの少し雲の様子や風向きが違ってきたように思う。セミの大合唱もいくぶんトーンダウン。秋の匂いにはほど遠いにせよ、日陰に入ればふっと清涼感を感じさせる風がさっと吹き抜ける時がある。夏の軍隊は確実に撤退に向かっている。
あと十日もすれば秋の気配が漂い始め、一ヶ月もすれば、朝晩は何か羽織らないと肌寒い気候になり、三ヶ月もすれば、夏の暑さが遥か昔のように懐かしく感じる季節がやってくる。
少年時代の思い出のように、あとになって懐かしく思えるものに、渦中にあるときは気付かない。思い出が懐かしく思えるようになったとき、それはもはや自分の掌から遠く離れてしまっている。博物館のガラスケースの中の宝物みたいに、それがかつて輝きを放っていたことをかすかににじませつつ、しかし手を伸ばすことはできない。

毎日は慌しく過ぎてゆく。
そんな中で日々感じる、いらだちや憤り。或いはささやかなうれしいことや、小さな達成感。或いは、ばかばかしいほどのなんでもない一言や些細な仕草。
そんなものもいつか、懐かしく思う時が来るのだろう。
そのとき、それはもう、ずっと遠く手の届かない場所にあるのだ。
そんなことをふと思って、何となくただ泣きたくなってしまう。
そんな、過ぎ行く夏の日。

泉谷しげる / 旅から帰る男たち

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都会のランナー
泉谷しげる
1979

ピッツバーグ・パイレーツの桑田真澄投手の戦力外通告から3日、退団が発表された。ジャイアンツを首になり、39歳のオールド・ルーキーとして海を渡った桑田投手の活躍は、日本中に感動の波紋を呼んだ。「40歳を目前にして」「夢に向かって」「挑戦」「ひたむき」「さわやかな笑顔」…そんな言葉がメディアに踊る。
同世代の桑田投手のことを、僕は彼が高校生1年生の夏の甲子園からずっと見てきたことになる。天才の器を感じさせた、高校生らしからぬ沈着冷静な投球。清原とのアベックホームランや涙の決勝戦、密約がささやかれたドラフト会議での巨人入り。2年めには頭角を現し、斎藤や槇原とともにエースとして君臨した3本柱時代。間違いなく200勝はすると思われたが晩年はケガに泣きリハビリに追われ、しかしサンデー桑田として見事復活。そんな一部始終を見てきた。残念ながら、お茶の間的には決して人気の高い選手ではなかった。スターとしてちやほやされた時期もあったが、どちらかといえば悪役だった。高校の時から可愛げが無かった。入団時のもやもやでダーティーヒーロー色は強まった。野球賭博疑惑や、17億もの借金だのといった汚れた話題があり、マウンドでのお祈りが気持ち悪いだの、投げる不動産屋だのと言われ、漫画ではほくろだらけの薄気味悪いキャラで描かれた。昨年の巨人を辞める時も引き際がどうだの、メジャー挑戦に期待を寄せる声なんてなかったのに、今や日本人の心の支えみたいな取り上げられ方。人の評価なんていいかげんなものだと改めて思う。
桑田投手は誰もが認める努力家だ。人に何と言われようと自らの求めるものを追求する意固地な職人。頑固な求道者。
例えば故障での手術後、ボールが投げられない期間に「ボールは投げられなくても、下半身は鍛えられる」とジャイアンツ球場の外野を芝が禿げ上がるまでただランニングし続け、桑田が走り続けた部分は「桑田ロード」と呼ばれるようになった、というエピソードがある。またプロとしては小柄な体格で戦うために、ありとあらゆるトレーニング方法の中から自分にあったものを徹底して探し、何度も何度も投球フォームを変えたりもしている。一方で頑固で理屈っぽくてプライドが高くて、自分なりの合理的な練習方法や登板に対する考え方が、サボりや首脳陣批判とも揶揄されたりもした。いわゆる体育会系的な価値観からはずいぶん離れた合理的なものの考え方は、首脳陣や仲間からは異質に映っただろうし、煙たがられもしたと思う。そして、自分が周囲から異質であることをよく知っているからこそ、彼は躍起になって結果を残そうとしたし、残し続けてきた。その結果が、持ち上げられたりバッシングされたり、そんな繰り返しの野球人生。そのたびに世間の評価は揺れ続けたけれど、今、退団を表明する彼のインタビューから感じられるのは、本当に単純に野球が好きで、野球が上手くなりたくてずっとやってきた、ただそれだけの想い。他人から見て「すごい努力」も「頑固な理屈」も、自分にとっての価値ある行為をただやってきたに過ぎないのだと思う。
世間の評価を気にしないといえばウソになるけれど、どっちを取るといえば迷わず自分の信じる方、自分がそうしたいと感じる方を選ぶ。それが桑田投手の生き方。そして、そんな姿勢に、少しシンパシィを感じるのだ。
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雨に打たれ風にも
人にさらされ顔も変わる
遠くに浮かぶ街並みも
今はただ怠けてる
深く長い夜に紛れ
目も奪われ人も変わる
新しい力さえ
信じないでひとりになる旅を

長い旅から帰る男たちがいる
旅を超えて帰る男たちがいる

足元の重い街
そこに来てしまったおまえ
まだ見ぬ幻の街
望まぬ景色にただイラつく
夜に吠える
街並みに送られて次の街へ
長い夜の始まりに
助け合う人も無い

長い旅から帰る男たちがいる
旅を超えて帰る男たちがいる

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桑田真澄と泉谷しげる。何の接点も無いけれど、異質な世界の中で頑固に自分の立ち位置を作ってきたこと、そしてその中で自分のパブリック・イメージと戦ってきたこと、剛速球へのあこがれを持ちながら繊細でクレバーなところが実は持ち味であること、そんなところに少しだけ共通点を感じたのだ。
1979年「都会のランナー」収録、傷だらけの戦いの果てにひとまず旅を切り上げる男の風景。いずれまた別の旅は始まるけれど、それは、若き日の、自分がどこへ転がっていくのか自分でも解らないような途方もなくスリリングな旅とは異質なものになるのだろう。

泉谷しげる / 翼なき野郎ども

80sballad.jpg

,80のバラッド / 泉谷しげる
1978

泉谷しげるはとらえどころのない男だ。まるで飯場の労働者のような風体、乱暴でズバズバと切りまくるもの言い。投げやりな歌い方。泉谷のパブリック・イメージは、ちょっと怪しげな荒くれた乱暴者、ひょうきんで話のわかるおもろいおっさん、みたいなところだろうけれど。
しかし泉谷の歌を聴くと、そんなイメージは照れ隠しのために作り上げたポーズだということがよくわかる。そのポーズの下に隠した、ナイーヴで心優しい素顔。
泉谷の歌は、心優しいだけではどうしようもならない都市の暮らしで、飲み込まれてしまわないための強さを獲得したい、そんな気持ちが表現の核にあって成り立っている。それを強がったり傷ついたり茶化してみたりヤケになったりしながら歌う。それが“春夏秋冬”の「やっと見つけた優しさはいともたやすくしなびた」であったり“眠れない夜”の「珍しい見世物すぐ飽きて自分だけが珍しくなってゆく」であったり“春の空っ風”の「誰が呼ぶ声に答えるものか 望む気持ちとは裏腹」であったりといったフレーズ。
そんな泉谷が、迷いとやけっぱちのベクトルから抜け出し、しなやかな力強さを表現する方向を向いたのが1978年の「,80のバラッド」。泉谷30歳のとき。まるで『明日なき暴走』の頃のスプリングスティーンのように、都市の夜の底を疾走するスピード感と力強さに溢れている。歌われた歌詞の意味などもはやよくわからないフラッシュするイメージの羅列としなやかなリズムが、心のうちから湧き上がるようなエネルギーをくれる。

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火力の雨降る街角
謎の砂嵐にまかれて
足取られやくざイラつく午後の地獄
ふざけた街にこそ家族がいる

こんな街じゃ俺の遊び場なんか
とっくに消えてしまったぜ
なのに風にならない都市よ
何故俺に力をくれる?

あぁイラつくぜ
あぁ感じるぜ
とびっきりの女に会いに行こう
とびっきりの女に会いに行こう

ふざけたこの街で何しよう?
働いて食って寝るだけの窓
土曜の夜は女といなくちゃ寂しいぜ
ヤニだらけの俺のピンボール

こんな街だから
何もしなくてもイラつく
風にならない都市よ
何故俺に力をくれる?

あぁイラつくぜ
あぁ感じるぜ
とびっきりの女に会いに行こう
とびっきりの女に会いに行こう

地鳴りする都市よ
何故俺に力をくれる?
風にならない都市よ
何故俺に力をくれる?

あぁ感じるぜ
あぁ燃えてくるぜ
とびっきりの女に会いに行こう
とびっきりの女に会いに行こう

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都市で生き抜くために必要なもの。
多少のことで折れたりしない鋼のようなしなやかさ。
思いつめれば折れてしまうから、思いつめないためのフットワークの軽さ。
その軽さを支える、マグマのように湧き上がるエネルギー。
そのマグマを支えるのは、 今、ここに在ることへの確信。
では、その確信を支えるのものは?

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泉谷しげる with LOSER デトロイト・ポーカー(横浜国立大学)

RCサクセション / サマータイムブルース

カバーズカバーズ
RCサクセション



暑い夏がそこまで来てる
みんなが海へくり出していく
人気のない所で泳いだら
原子力発電所が建っていた
さっぱりわかんねえ、何のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

熱い炎が先っちょまで出てる
東海地震もそこまで来てる
だけどもまだまだ増えていく
原子力発電所が建っていく
さっぱりわかんねえ、誰のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

寒い冬がそこまで来てる
あんたもこのごろ抜け毛が多い (悪かったな、何だよ)
それでもテレビは言っている
「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねえ、根拠がねえ
これが最後のサマータイム・ブルース

(原発という言い方も改めましょう。何でも縮めるのは日本人の悪い癖です。正確に原子力発電所と呼ぼうではありませんか。心配は要りません)

あくせく稼いで税金取られ
たまのバカンス田舎へ行けば
37個も建っている
原子力発電所がまだ増える
知らねえ内に漏れていた
あきれたもんだなサマータイム・ブルース

電力は余ってる、
要らねえ、もう要らねえ
電力は余ってる、
要らねえ、欲しくない
原子力は要らねえ、
危ねえ、欲しくない
要らねえ、要らねえ、欲しくない
要らねえ、要らねえ
電力は余っている、よ
要らねえ、危ねえ

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1988年、RCサクセションはロックの名曲の替え歌集を録音。しかし、反原発のメッセージを持ったこの曲が東芝EMIの規制により発売中止騒ぎとなり、そのことが社会的な波紋を呼んだ。
清志郎はこの後、ザ・タイマーズという覆面バンドを結成してゲリラ的に麻薬やら天皇制やら社会的にタブーとされてきたことをテーマに歌いまくり、その行動は社会派ロッカー扱いされるまでに及んだけれど、清志郎が歌いたかったのは、ひとつひとつのメッセージ云々ではなく、替え歌のひとつも自由に歌えない社会、個人の意見を圧力で押しつぶそうとする社会の力への、個人的な抵抗だったのだと思う。

新潟中越沖地震での柏崎刈谷原発の火災事故を受けての調査で、IAEAは「目に見える重大な損傷はなく、被害は予想より軽微だった」との調査報告を公表した。けれど、それをどこまで信用していいのかはもはやよくわからない。少なくとも電力会社は、万が一の事態が発生していたとしてもそのことを緊急に報告せず「混乱を避ける」などの言い訳の元に隠蔽しようとするものだということが、今回の一件で改めてよくわかった。
個人を、一人一人それぞれが暮らしを営んでいる一人の人間としてみようとしない社会的な権力の存在。或いは自己の属する組織の利益最優先の中から出てくるそういった考え方。清志郎が抵抗していたのはまさにそのことだし、今回の選挙で与党が惨敗したのも突き詰めればこのことにぶちあたるのではないか?今の政治は個人の顔や個人の暮らしが見えていない、と。原発賛成とか反対云々とかイデオロギー云々ではなく、「一人一人それぞれが暮らしを営んでいる一人の人間としてみようとしない」様々な事象…それこそその最たるものが戦争だと思うけれど…に対しては、いつだってNOと意思表示していきたい。

The Eagles / Hotel California

Hotel California Hotel California
Eagles
1976



♪Hotel California
On a dark desert highway, cool wind in my hair
Warm smell of colitas, rising up through the air
Up ahead in the distance, I saw a shimmering light
My head grew heavy and my sight grew dim
I had to stop for the night
There she stood in the doorway;
I heard the mission bell
And I was thinking to myself,
'This could be Heaven or this could be Hell'
Then she lit up a candle and she showed me the way
There were voices down the corridor,
I thought I heard them say...

Welcome to the Hotel California
Such a lovely place
Such a lovely place
Such a lovely face
Plenty of room at the Hotel California
Any time of year
Any time of year
You can find it here
You can find it here

Her mind is Tiffany twisted
She's got the Mercedes bends
She's got a lot of pretty, pretty boys
That she calls friends
How they dance in the courtyard
Sweet summer sweat
Some dance to remember
Some dance to forget

So I called up the Captain
'Please bring me my wine'
He said
'We haven't had that spirit here since 1969'
And still those voices are calling from far away,
Wake you up in the middle of the night
Just to hear them say...

Welcome to the Hotel California
Such a lovely Place
Such a lovely Place
Such a lovely face
They're livin' it up at the Hotel California
What a nice surprise
What a nice surprise
Bring your alibies

Mirrors on the ceiling,
The pink champagne on ice
And she said
'We are all just prisoners here, of our own device'
And in the master's chambers,
They gathered for the feast
They stab it with their steely knives,
But they just can't kill the beast

Last thing I remember,
I was running for the door
I had to find the passage back to the place I was before
'Relax' said the nightman,
We are programed to recieve.
You can check out any time you like,
But you can never leave!
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暗い砂漠の中のハイウェイ
冷たい風が髪をなびかせる
マリファナの匂いがあたりに立ち込め
遥か前方に陽炎のように揺らめく光が見えた
頭は重く視界はかすみ
今夜はここあたりで泊まることにしなければ

彼女が戸口に立っていた
呼び鈴が鳴るのが聞こえる
「ここは天国かもしれないけれど、地獄かもしれない…」
と僕は頭の中でそう呟いた
彼女は蝋燭に灯を燈し 僕を案内してくれた
その時、階下から聞こえた声は
こんな感じだったように思う
「ホテル・カリフォルニアへようこそ!
 ここは素敵な場所ですよ
 お部屋をたくさん用意してお待ちしています
 いつでもここへお泊り頂けます」

彼女はティファニーのアクセサリーを身につけベンツを乗り回す
そしてたくさんの「お友達」と呼ばれる美少年達を侍らせていた
彼らは中庭でダンスを踊り 甘い夏の汗 を流す
時には何かを思い出すために
時には何かを忘れるために

僕は給仕長を呼び、「ワインを持ってきてくれ」 と頼んだ
すると彼は言った
「1969年以降、蒸留酒は切らしています。」
そしてまた遠くからあの声が聞こえる
真夜中に目覚めると 彼らがこう言っている
「ホテル・カリフォルニアへようこそ!
 ここは素敵な場所ですよ
 お部屋をたくさん用意してお待ちしています 
 素敵なサプライズに満ち溢れたところ」

天井は鏡が張りつめてあり
氷で冷やされたピンクのシャンペン
彼女は言った
「私たちみんな、まるで囚人みたいなものよ。
 でも、それは私たち自身の意思なんだけど」
大広間では宴会の支度がととのい、みんなが集まってきた
しかし彼らが鋼のナイフで突き刺しても 誰一人獣を殺すことはできなかった

最後に覚えているのは ドアに向かって逃げ出したこと
自分が通って来た道を見つけて 元の場所に帰らなければ!
「落ち着いてください」
夜警が僕に言う
「あなたがたがここに来ることは あらかじめ定められていたんです。
 あなたはいつでもお好きな時にチェックアウトできます。
 けれど、ここから逃げ出すことは決してできません」

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明け方、車を走らせていた。まるでカリフォリニアのようによく晴れ渡った空の稜線が赤く染まりはじめていた。それはまるで地球最後の日のように美しかった。ココナッツの林をあしらったラブホテル横を通り過ぎる。カー・ステレオからホテルカリフォリニア。エキゾチックで印象的なギターの音色。そしてドン・ヘンリーが歌いだす。On a dark desert highway, cool wind in my hair…

“ホテル・カリフォルニア”は、70年代アメリカンロックを代表する、いや、20世紀のロック史を語る上でも欠くことのできない名曲だ。3本のギターのからみ、蠢くようなベースと裏で入るリムショットの描き出す、恐るべきこの官能的なサウンド。そしてそのミステリーっぽい歌詞に綴られた退廃的かつ奥の深い世界。この曲は確かにロックのひとつの大きな到達点だった。ロックンロールの表現は、シンプルに「可愛いあの娘が大好きさ」なんて歌ばっかりだった50年代の産声をあげたての頃からずいぶん遠くへ歩んできた。ヨーロッパから逃れてアメリカ大陸に逃げ込んだ人々が、新しい土地を目指して西へ西へと移動を重ねた果てにカリフォリニアにたどりついたように。それはひとつの達成であると同時に、旅の終わりであり、フロンティアの喪失だった。

まるで夢のような豪華なホテルにかりそめの宿をとった男。そこで繰り広げられる退廃的かつ官能的な世界。そんな世界に惹かれ溺れながら、我に返って逃げ出そうとしたときにホテルの夜警がこう言う。「あなたはいつでもお好きな時にチェックアウトできます。けれど、ここから逃げ出すことは決してできません。」
…そんな物語の意味が、今になって痛いほどよくわかる。
人間の欲望にはきりがない。例えば一生に一度しか食べられないような超最高級のステーキを食べたとする。今まで食べていた肉がおいしくないわけではないけれど、一度その味を知ってしまうと今までおいしいと思っていた肉の味では満足できなくなってしまい、ステーキを食べるたびにその最高級の味と比較し、それが手に入らないことが悲しくなってしまう。そんな時、果たして最高級のステーキを食べたことは幸福なのか、それとも不幸なのか?
深い快楽であればあるほど、そのことを失う喪失感は大きい。それは単に、その快楽的な行為の次の機会がないに留まらず、これから先のあらゆる快楽につきまとい、比較し、そのたびに失われたものを思い出させ、喪失感に打ちのめされることでもあるのだ。禁断の快楽は、そういう意味で、二度と抜け出すことのできない迷宮のようなものなのだと思う。失おうと失うまいといずれにしても逃げ出すことのできない、天国でも有り地獄でも有る。
そんな象徴としての“ホテル・カリフォルニア”は、痛々しいまでに悲しく、そして美しい輝きを放っているのだ。

Billy Joel / This Night

An Innocent Man An Innocent Man
Billy Joel
1984



♪This Night
Didn't I say
I wasn't ready for a romance
Didn't we promise
We would only be friends

And so we danced
Though it was only a slow dance
I started breaking my promises
Right there and then

Didn't I swear
There would be no complications
Didn't you want
Someone who's seen it all before

Now that you're here
It's not the same situation
Suddenly I don't remember the rules anymore

This night is mine
It's only you and I
Tomorrow
Is a long time away
This night can last forever

I've been around
Someone like me should know better
Falling in love
Would be the worst thing I could do

Didn't I say
I needed time to forget her
Aren't you running from someone
Who's not over you

How many nights
Have I been lonely without you
I tell myself
How much I really don't care

How many nights
Have I been thinking about you
Wanting to hold you
But knowing you would not be there

This night
You're mine
It's only you and I
I'll tell you
To forget yesterday
This night we are together

This night
Is mine
It's only you and I
Tomorrow
Is such a long time away
This night can last forever

Tomorrow
Is such a long time away
This night can last forever

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言葉にはしないけど ロマンスの準備は出来ている
約束したわけじゃない ぼくらはただの友達
ダンスを踊ろう スロウダンスばかりじゃないけれど
心に決めた約束を破ってしまいそうになる
誓い合ったわけじゃない
ずっと前に好きだった人は誰?そんなこと知りたくもない
同じようなシチュエーションでぼくらは今ここにいる
もう他の誰も思い出すことは出来ないさ

今夜、それはぼくのもの ぼくときみだけのもの
明日なんてまだずっと先
今夜はずっと続いてゆくよ

きみの好きな誰かみたいな振りをして
ずっときみの周りをうろついていた
きみを抱きしめること
それだけがぼくにできること
いくつもの夜を、きみがいなくて寂しい気持ちで過ごしてきた
どれだけの夜をきみを思って過ごしただろう
抱きしめたいきみが 今ここにいてくれるなんて

今夜、それはぼくのもの ぼくときみだけのもの
明日のことなんて忘れてしまおう
今夜ぼくらはいっしょにいる

今夜、それはぼくのもの ぼくときみだけのもの
明日なんてまだずっと先
今夜は永遠に続いていくよ

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訳すのも照れてしまうくらいのキュートなラブソング。
恋が実った夜。
その先にどんなことがあろうとも、その瞬間は永遠に甘くほのかな香りとまばゆい輝きを放っている気がする。永遠に忘れることなどできないような。

たった一日のたった一瞬の出来事が、人生の行き先を大きく変えてゆくことがある。踏み出すのか、留まるのか、迷った挙句の一瞬の判断で行き先が変わる。それがどんな方向へ向かってゆくにせよ、その瞬間の判断を僕は受け入れてゆきたい。
どっちへ向かったところで、良いことも悪いこともほぼ均等に訪れるのだ、多分。そして、どっちへ向かったところで、あの日のあの瞬間の輝きが消えうせるわけではないのだ、きっと。

Fairground Attraction [First of a Million kisses]

The First of a Million Kisses The First of a Million Kisses
Fairground Attraction
1988



Allelujah
The lights on the westway go on
A million cars hurry home
An ice-cream van shuts off its tinsel bells
Winter won't be long

I see you everyday
I watch you as you walk down this way
We pass on the stairs on this council block
Too shy to find words to say

But your smile is a prayer that prays for love
and your heart is a kite that longs to fly
Allelujah, here I am
Let's cut the strings tonight

So meet me on the corner at eight
Let's get out of this place
We'll kiss the first of a million kisses
and let the past fall away

'Cause your smile is a prayer...

For your smile is a prayer...

We'll kiss the first of a million kisses, ah

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西通りの街灯が光ってる
百万もの車が家路を急ぐ
アイスクリーム屋のバンが金ぴかのベルを終う
冬はもうそんなに長くない

毎日あなたを見かけるの
あなたに会えるようにこの道を通るから
会議場のブロックの階段を通り過ぎるの
恥ずかしくて話しかける言葉が見つからない

けど、あなたの微笑みは愛のための祈り
あなたの気持ちは、飛ばされるのを待ちわびる凧なんだわ
ハレルヤ!
私はここにいるわ
今夜、糸を切っちゃってよ

8時にそこの角で私に会って
ここから飛び出すんだわ 私たち
これからきっと百万回も続く最初のキッスをしましょうよ
過去なんて放り投げちゃって

あなたの微笑みは祈り
これからきっと百万回も続く最初のキッスをするの

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いわゆるユーロビートと称するディスコ・サウンドに辟易していた狂乱の1980年代後半に、突然現れた一服の清涼剤のようなアコースティックなバンド、フェアグラウンド・アトラクション。
エディ・リーダーのクールなヴォーカル、マーク・E・ネヴィンのちょっとジャズっぽいクールなギター、洒落っ気たっぷりの歌詞。そもそもバンド名自体が英国のアコースティック・トラディショナル・バンド“Fairport Convention”のもじりだもの。イギリス人らしいひねりが効いてる。
アルバムタイトルの[First of a million kisses]の意味は、「単なる最初のキス」じゃなくて、「これから百万回もするはずの一番最初のキス」の意味。それだけでもものすっごく幸せなタイトルだと思う。
1988年。あなたはどこにいましたか?あなたとそんなキスを交す日が来るとは夢にも思っていなかったのです。

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Moon On The Rain
jazz in a basement bar, the moon’s on the rain
drunk too much, spent too much, penniless again
oh sweetheart where are you tonight
I remember when we used to walk by the Thames
the lights on the embankment like jewels on chains
I’ll never forget what you said at the start
you said “I’ll put a string of lights ’round your heart”

I’ve got your photograph, the one that you signed
tucked in my pocket, all tattered by time
oh sweetheart who’s with you tonight
are you there at the roundabouts, down in the park
where you sneak through the railings, when it’s locked after dark
is she learning the song you taught me at the start
the one the bells and the banjos played on our hearts

now the bars are all empty, everybody’s gone home
perhaps I’ll walk down the embankment alone
oh sweetheart I’m glad that we met
and that there’s jazz in the basement bars
and jewels on chains
’cause I’ve drunk too much
and spent too much
but there’s moon on the rain
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地下室のバー 流れるジャズ 雨の日のお月様
飲みすぎて またすっからかん
ねぁ、愛しい人 あなたは今どこにいるの?
よく二人で歩いたテムズのほとりを思い出すわ
堤防の灯りがまるで宝石の鎖のようだった
あなたが言ったこと忘れないわ
「きみの心を光の糸でつつんであげる」って

私が持っていたあなたの写真 
ポケットにつっこんでてぼろぼろになった
ねぇ、愛しい人 あなたの傍には今夜誰がいるの?
あの公園の向こうの迂回路にあなたはいるの?
日が暮れた後、よくいたずらしあったわ
あなたが教えてくれた歌を彼女にも教えているのかしら?
ベルとバンジョーがなると私たちの心は高鳴ったわ

みんな家に帰ってしまってバーは空っぽ
多分これから一人であの堤防を歩いてみるわ
ねぇ、愛しい人 あなたに会えてよかったわ
地下室のバー 流れるジャズ 宝石の鎖
長居しすぎて 酔っ払ってしまったわ
雨の日にもお月様はそこにある

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♪FairgroundAttraction - Perfect
♪Eddi Reader - Allelujah - Live At The Basement
♪Allelujah :2006/12/17 yojik&wanda Live at myonichikan

Chris Rea / On The Beach

On the Beach On the Beach
Chris Rea
1986



♪On The Beach
Between the eyes of love I call your name
Behind the guarded walls I used to go
Upon a summer wind theres a certain melody
Takes me back to the place that I know
Down on the beach

The secrets of the summer I will keep
The sands of time will blow a mystery
No-one but you and i
Underneath that moonlit sky
Take me back to the place that I know
On the beach

Forever in my dreams my heart will be
Hanging on to this sweet memory
A day of strange desire
And a night that burned like fire
Take me back to the place that I know
On the beach

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恋する瞳であなたの名前をささやいて
誰からも見えない壁の向こうへ
よく行ったものだ
夏の風に乗って聴こえてくるあのメロディ
懐かしいあの場所へ連れて行ってほしい
あの浜辺へ

夏の秘密を隠し持ったまま
時の砂はいつか謎を解くのだろう
月明かりの下
あなたと僕以外誰もいない浜辺
懐かしいあの場所へ連れて行ってほしい
あの浜辺へ

夢の中で永遠に
この甘いメロディに酔いしれる
奇妙な欲望に包まれて
炎のように燃えたあの夜
懐かしいあの場所へ連れて行ってほしい
あの浜辺へ

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誰も居ない浜辺で、ラジオにそっと耳を傾けると、聞こえてくるのはこんなメロディかも知れない。喜びも悲しみも通り抜けてきたような渋い声、乾いたギター。あの夏の空と海。今年の夏と何が違うのだろう…なんて、センチメンタルな気持ちを呼び覚ます。
思い出すのは甘い記憶。
それが今ここにないこと、二度と訪れることがないかもしれないことが人を苦しめる。そんなに苦しいのなら忘れてしまえばいい。いや、とても忘れることなどできそうもない、そして、忘れてしまいたくはない。そんな甘い記憶。
そんなときにできることは何だろう。
例えば、その甘い記憶をちゃんと葬ってきれいな思い出にしてあげること。
アルバムを作ったり、形見や思い出の品を大切にとっておいたり、記念日を作ったり、お葬式をしてお墓を建てたり供養をしたり、昔から人はそんな風にして二度と戻ることのない記憶の苦しみから逃れなおかつ決して忘れない工夫をして、失われた甘い記憶に対処する術を培ってきた。ひとつひとつの出来事をきっちりと優しく丁寧に折り畳んで風呂敷に包み込み、箪笥の奥深くへそっとしまいこむようにして。
甘い記憶をちゃんとしまわずに放り出してしまうと、腐敗して苦しみだけが悪臭を放ちはじめるのような気がする。丁寧に葬られたものだけが、時とともに苦しみが風化され、やがていつか美しい思い出だけが純粋に輝き出すのだと思う。
そんなことをぼんやりと思いながら、季節が変わるのをただ見送っている。

The Beach Boys / Sloop John B

ビーチ・ボーイズ・グレイテスト・ヒッツ(2)1966-1969ビーチ・ボーイズ・グレイテスト・ヒッツ(2)1966-1969
ビーチ・ボーイズ



♪Sloop John B
We come on the sloop john b
My grandfather and me
Around nassau town we did roam
Drinking all night
Got into a fight
Well I feel so broke up
I want to go home

So hoist up the john bs sail
See how the mainsail sets
Call for the captain ashore
Let me go home, let me go home
I wanna go home, yeah yeah
Well I feel so broke up
I wanna go home

The first mate he got drunk
And broke in the capns trunk
The constable had to come and take him away
Sheriff john stone
Why dont you leave me alone, yeah yeah
Well I feel so broke up I wanna go home

So hoist up the john bs sail
See how the mainsail sets
Call for the captain ashore
Let me go home, let me go home
I wanna go home, let me go home
Why dont you let me go home
(hoist up the john bs sail)
Hoist up the john b
I feel so broke up I wanna go home
Let me go home

The poor cook he caught the fits
And threw away all my grits
And then he took and he ate up all of my corn
Let me go home
Why dont they let me go home
This is the worst trip Ive ever been on

So hoist up the john bs sail
See how the mainsail sets
Call for the captain ashore
Let me go home, let me go home
I wanna go home, let me go home
Why dont you let me go home

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じいさんと俺
帆船ジョンB号に乗ってやってきた
ナッソーの町辺りを漂ってたんだ
一晩中飲み明かしては喧嘩ばっかり
もうまいっちゃったな
故郷に帰りたいよ

だからジョンB号の帆を高く上げて
ほら、メインセイルも準備Ok
陸に上がったままのキャプテンを呼びつけて
故郷へ帰してくれ
もうまいっちゃったよ
故郷へ帰りたいんだ

一等航海士は酔っぱらいで
キャプテンの船室をぶっ壊してしまった
警官がやって来てヤツは連れていかれた
保安官ジョン・ストーンよ どうして俺をほっといてくれないんだ
もうまいっちゃったよ
故郷へ帰りたいんだ

だからジョンB号の帆を高く上げて
ほら、メインセイルも準備Ok
陸に上がったままのキャプテンを呼びつけて
故郷へ帰してくれ
もうまいっちゃったよ
故郷へ帰りたいんだ

料理長は発作を起こしてしまって
俺のおかゆを投げ飛ばしてしまった
しかも俺のトウモロコシを全部平らげてしまったときやがる
故郷へ帰してくれ
なんで帰してくれないんだ?
これは今までで最悪の旅だったよ

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夏は過ぎてゆく。
“Sloop John B”は、ビーチボーイズの名盤PetSounds唯一のカバー曲。あまりにも暗い音像のPetSoundsを売れないと判断したレコード会社がブライアン・ウィルソンの反対を押し切って収録したらしいけれど、今アルバムを通して聴くと、キラキラ美しく同時に少し痛いブライアンの楽曲群にはさまって、アルバム全体の統一感は損なわないまま、いい感じのでほっと一息つかせてくれているように思う。
夏の終わりのような哀愁感、ユーモアをたっぷり含んだ滑稽でちょっと情けない歌詞、とぼけた味わいも悪くない。鎖につながれたようなどろどろのブルースもいいけれど、これくらい飄々とブルースを表現できることは素敵だと思う。
何よりもこの曲、大好きなのだ。
酔っ払って一人で帰る帰り道、ふと口ずさんでみる。

“let me go home I wanna go home, yeah yeah
Well I feel so broke up,I wanna go home”

で、どこへ、帰る?

山下達郎 / 甘く危険な香り

FOR YOU (フォー・ユー)FOR YOU (フォー・ユー)
山下達郎
1982


♪甘く危険な香り
あなたの 思わせぶりな口づけは
耐え切れぬ程の苦しさ
心は暗がりの扉の影で
報われぬ愛の予感に震える

息をひそめた
夜にまぎれて
忘れかけてた
愛の香りよ

いちどは 傷ついたはずの心で
信じ合えるにはあまりに
悲し過ぎる

二度と振り向く事は出来ない
あまく危険な
愛の香りよ

あなたに 取り戻す日々はもうない
そっと目かくしのふりして
通り過ぎる

-------------------------------------------------
山下達郎の音楽には、気品がある。
職人が丹精込めて作り上げた作品に息を吹き込まれた魂のようなもの。それは、安っぽい「真実」だとか「自由」だとか「魂」だとかいうボキャブラリーで余ったエネルギーをただ吐き出すだけの自称ロック、なんかよりも遥かに真実により近く、自由で、魂が込められている。
そんなことに気が付いたのは実はそう遠くない最近で、このアルバムが出た高校生の頃は、単に耳障りの良いお洒落な流行モノとして、半ば友人と話をあわせるためだけに耳にしていただけだったのだけれど。この眩しい青空(By鈴木英人)のジャケットは自分の、いわゆる括弧つきの「青春」には似合わないと知りつつ、密やかな悲しみを描き出したラストナンバーの「甘く危険な香り」だけが大のお気に入りだった。
今聴けば、また別な意味で、その頃には到底知りえなかった新しい痛みで、やはりせつなくなる。

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プロフィール

Author:goldenblue
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音楽から人生へのいろんな示唆を受けてきた。音楽から得たインフルエンスやインスピレーションを通じて人生の機微を語ってみたいと思った。もっとも、文章で語れない想いだからこそ音楽で表現するのであるからして、到底うまく語ることなどできっこなかったのですが。

『音楽と人生に関する一考察』は
2008年3月にて
一旦完結しました。

2008年4月より
『日々の糧と回心の契機』へ

**************

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