音楽と人生に関する一考察

忌野清志郎 [冬の十字架]

冬の十字架冬の十字架
忌野清志郎 Little Screaming Revue
1999


いわゆる「中国産冷凍ぎょうざ」問題。いや、「事件」か。
確かに今までさんざんあった偽装事件とはレベルが違う。健康被害が出た、そのことに対する食品会社や輸入者、販売者の責任は重い。
しかし、まだ原因も明らかでない中でのマスコミの過剰なまでの報道はどうなんだろうか?逆にいたずらに不安を煽ったのではないか、という気がする。
原因不明の中での被害の重大性・拡散性・緊急性を考えると、危険の想定される当該の商品に対しての「絶対に食べないでください」という呼びかけは必要だ。けれど、残留農薬の混入原因は不明のままなのに「中国産は危険」「検査をしていなかったのはけしからん」といった論調がまかりとおり、「生協の安全への信頼が損なわれた」とこれみよがしにコメントして、そんな報道を朝から晩まで見てたら誰だって不安になるんじゃないかと思う。一体、どこで何を手に入れたら安全なのか?子供たちに何を食べさせればいいのか?母親の悩みは当然だ。
だからといって即「中国バッシング」に走るのは違うと思う。
今や40%を下回る日本の食料自給率。それを支えているのは、海外のあらゆる場所からのありとあらゆる種類の食料調達と、低賃金で高技術のアジアの労働者たち。その筆頭が中国。
本当に安心できる食料を調達するには、全部自分で作るしかない。そんなことは実際不可能なのであって、相手と取引をする以上は必ずどこかにリスクが発生する。だいたい、高くても国産を、って言ってもそもそも国内には今の日本人全員を養えるだけの食料生産力がないのだ。自分自身は農業に携わりもしないでそれはおこがましい願いだろう。国産品信仰は、即ち、限られた人間だけが安心して暮らせればいい、まるでノアの方舟の選民思想のようで好きじゃない。だったら、どうやって中国をはじめとする外国と、うまくおつきあいしていくのか、そのことを考えていくしかないのであって、「中国産」=「危険」と排除してしまえば済む、そんな簡単な問題ではないのだ。まして「中国人はいいかげんだ」的な、生産現場を実際自分の目で見てもしないで思い込みのレッテル貼りはやめておこう。
また、「冷凍食品」の是非を問う声も聞こえて来るけれど、「冷凍食品」は、消費者の利便性だけでなく、出来立ての鮮度を維持するおいしさの面でも、不必要な防腐剤や保存料を使わずに長期保存できる点でもすぐれた技術であり、精神論的に冷凍食品を批判するのも的外れだ。忙しい主婦が冷凍食品を上手に使ってやりくりするのを否定されるべきでないし、外食産業や原料を加工後冷凍して国内工場で製造するなど、食の現場にとっていずれにしても切り離せない技術なのだ。

今回のことは結局、今の「おいしくて、手軽で便利で、安心で、低価格」を私たち消費者が追い求めていった結果としての必然的な事件なのだと思う。日本人がいままでしてきたわがまま放題贅沢三昧に対して突きつけられた「冬の十字架」みたいなものだ。
想定の低いリスク点検をして安全性を高めるより、少しでも低価格にしなくちゃ売れない、いくら生協といえども売れない商品を取り扱えない、それが市場原理の社会のルールで、リスクをただで回避できるような魔法なんてどこにもない。「おいしくて、手軽で便利で、安心で、低価格」のすべてを「合格点」にクリアすることはできても、すべてを「100点満点」にすることは不可能なのだ。一定のリスクは常にある。自分が選ぶものにどんなリスクがあるのか、そのことを消費者は自覚しなくちゃいけない。そして、そのリスクを選択するための情報は、まだまだ至らない部分もたくさんあるにせよ、やっぱり生協が一番誠実だと思うのだけれど。

それにしても生協は叩きやすいのか?
大手量販でも大手外食産業でもたくさん取り扱っていたJTフーズの冷食。なのにマスコミに叩かれているのは生協ばっかり。ちょっとかっこつけた優等生のチョンボは格好のネタだから?いや、それ以上にテレビ局にとって生協は、スポンサー様じゃないからね。
TVでやってることは、あくまで一面的なものの見方でしかない、ということは押さえておくべきだろう。[COVERS]が発売禁止になったり、「君が代」ロックバージョンが収録されたこのアルバムが自主制作でしか発売されなかったように、権力を持つものにとって不利益な情報は隠されるものだ。

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♪君が代
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それにしても、なんだかすっきりしない、どんよりとした時代だ。
今、TIMERSがあったら、清志郎、いやZERRYはどんなことを歌ってくれるだろう。このどんより感に風穴をぶち開けてほしい。

ザ・タイマーズザ・タイマーズ
THE TIMERS


♪偽善者

中島みゆき / 時刻表

寒水魚寒水魚
中島みゆき
1981


家に帰ったら、6歳の娘が最近書けるようになったカタカナで、「メタミドホス」「ジクロルボス」と記した絵を描いていた。脇には「どくタイプ」「はがねポケモン」の文字。どうやら、その響きから悪者ポケモンを連想したらしい。思わず笑ってしまったけれど、6歳の子供も興味を示すほど、中国製餃子による中毒事件は日本中を震撼させている、ということなのだろう。
テレビはこの一週間、興味本位に不安を煽るかのような、あることないことの報道。コメンテーターと称する芸能人の好き勝手なコメントは、「私は中国産は絶対に買いません!」とのヒステリックな叫びや「中国品の輸入をすべて禁止すればいい」なんていう乱暴な提案や、「そもそも餃子なんて昔はみんな手作りだったんだよ。」といった的外れな戯言に終始する。今週になっての週刊誌では「毒ギョーザ」「中国殺人餃子」の見出し。悲劇のドキュメントに仕上げられた被害者家族の記事、食べてはいけないあれこれをご丁寧に紹介し、中国の水や農産物がいかに汚染されているかを「中国の金持ちは日本の農産物を輸入して食べている」「中国では年間2万人が農薬中毒で死亡」などと書き立てている。それから行政やメーカーや商社や販売者の対応の不備。事が起きてからならば、なんとでも書けるわな、と鼻白んでしまう。

火のないところに煙は立たない。そういう意味では報道されていることはある断片としては事実なのだろうし、メディアが書き立てることによる自浄作用の効果は必要だろうと思う。けれど、今回の問題を、ただ騒ぐだけではなく、一体どんな方向へ導こうとしているのかがわからない。
外食用冷食や国内加工品のパーツだけを生産する「隠れ天洋食品製の加工品」はまだまだあるという。そもそも中国は水も農薬も汚染されているという。中国には反日感情を持った人間がたくさんいて輸出物を使ったテロも考えられるという。だからもはや「中国産品は“避ける”のではなく“買わない”の時代に入ったのだと。一方で検査体制はまだまだ不備だという。今のJAS法では加工品の原材料まで表示の義務はないという。日本の国内自給率はわずか39%、輸入に頼らざるを得ない状況の中で国産品の価格上昇は必至だという。でも、なぜそうなったのか、それから、その状況を踏まえてこれからどうすればいいのか、その答えはどこにもない。記者やコメンテイターのあんたがたの冷凍庫にだって、第二の餃子爆弾が仕込まれているかもしれないんだぜ?

昔聴いた中島みゆきの歌に確かこんなフレーズがあったのを思い出した。

“誰が悪いのかを言いあてて どうすればいいかを書きたてて
 評論家やカウンセラーは米を買う
 迷える子羊は彼らほど賢い者はいないと思う
 あとをついてさえ行けば なんとかなると思う
 見えることとそれができることは 別ものだよと米を買う”

そのことを真に受けた消費者は、牧羊犬に誘導される憐れな羊の群れみたいに柵の中へ追い込まれてゆく。ただ追い立てられるパニックの中で、自分の頭でモノを考えることを次第に奪われてゆき、それはやがて怠惰な習慣になってゆくのだろう。

仕事柄、今回のことでたくさんの消費者と話す機会がある。
小さなお子さんを抱えて本当に不安でたくさんのことを質問してくる若いお母さん。怒り口調であるべき論を振りかざす中年男性。「中国産だなんてどこにも書いていなかったわよ!」と憤る主婦。
彼女が返品しようとした商品のひとつはタイ産。「それならいいわ。」と彼女が言ったので「どうしてタイ産なら問題ないんですか?」と逆に聴いてみた。
「タイも水は汚かったけれど、タイの人はまじめだし日本に好意的だもの。中国の人はどうしてあんなにも日本人を敵視するのかしら?」
僕はついこう言ってしまった。
「日本人は戦争でたくさん中国で人を殺していますから。」
すると彼女は言った。
「あれは、だって、戦争じゃない。日本人はアメリカをそんなに恨んでいないのに。」
そんな彼女のおめでたさに、僕は黙ってしまうしかなかった。

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時刻表
街頭インタヴューに答えて 私やさしい人が好きよと
やさしくなれない女たちは答える
話しかけた若い司会者は またかとどこかで思いながら
ぞんざいに次の歩行者をつかまえる
街角にたたずむ ポルノショーの看板持ちは爪を見る

きのう午後9時30分に そこの交差点を渡ってた
男のアリバイを証明できるかい
あんなに目立ってた酔っぱらい 誰も顔は思い浮かばない
ただ そいつが迷惑だったことだけしか
たずね人の写真のポスターが 雨に打たれてゆれている

海を見たといっても テレビの中でだけ
今夜じゅうに行ってこれる海はどこだろう
人の流れの中で そっと時刻表を見上げる

満員電車で汗をかいて肩をぶつけてるサラリーマン
ため息をつくなら ほかでついてくれ
君の落としたため息なのか 僕がついたため息だったか
誰も電車の中 わからなくなるから
ほんの短い停電のように 淋しさが伝染する

誰が悪いのかを言いあてて どうすればいいかを書きたてて
評論家やカウンセラーは米を買う
迷える子羊は彼らほど賢い者はいないと思う
あとをついてさえ行けば なんとかなると思う
見えることとそれができることは 別ものだよと米を買う

田舎からの手紙は 文字がまた細くなった
今夜じゅうに行ってこれる海はどこだろう
人の流れの中でそっと 時刻表を見上げる
人の流れの中でそっと 時刻表を見上げる

Sonny Boy Williamson / My Younger Days

His BestHis Best
Sonny Boy Williamson



なんとなく重い気分で帰る最終電車の中で、酔っぱらいのじいさんが大きな声で独り言をわめき散らかしていた。何を言っているのかはよくわからない。やがて前の席に座ってメールをしていた若い女の子にからみだした。俺の若かった頃は、近頃の若い者は、とか、そんなことを説教しているらしい。これって「電車男」のシチュエーションだなぁ、なんて思いながらその様子を見守っていた。次の駅で女の子は逃げるように下車し、またじいさんは一人でぶつくさ言い出した。ポケットからウイスキーの小瓶を持ち出してはあおっている。周りの連中はみんな無視を決め込んで、少し体を固くさせながら眠ったフリなどしている。
最初はやかましくて迷惑なじんさんだと思っていたけれど、どうやらいわゆる殺気を感じるような感じではない。むしろ滑稽で少し憐れなような。で、しばらくじいさんのことをじっと見ていたら、ハッと目が合った。
その目が少し笑っているような気がして、そっと人差し指を唇に当てて注意を促したら、じいさんもニッと笑って「シ〜ッ」と言った。そのあともなんだかんだでぶつくさ言っていたけれど、そういや昔はこんなじいさんあっちこっちにごろごろいたのになぁ、なんて思いながら、僕はなんだか楽しくなってきて、そのじいさんと話したくなってきた。
「おっちゃん、どこまで行くんや」
「あぁ、あぁ、えらいすんませんなぁ。あと二駅ほど。」
「ほどほどにせんとみんな迷惑してはるからな。」
「あぁ、あぁ、えらいすんませんなぁ、ほんま。」
降り際のたったそれだけの会話。でも、話して良かったと思った。
頑なだった気持ちの何かが解けていったような気がした。
周りの人たちは相変わらず無視を決め込んでいたけれど。

電車を降りて、歩きながら、あのじいさん誰かに似ていると思った。
短く刈った白髪、大きな目、どことなく人懐っこい笑顔。
あ、そうか、サニー・ボーイ・ウィリアムソンだったんだ。

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♪My Younger Days
In my younger days, I wished I knowed then like I know now
In my younger days, I wished I knowed then like I know now
I wouldn't be standing around here,
begging for this little woman to let me in her house

Back in those days, I wished I'd knowed then like I know now
Back in those days, I wished I'd knowed then like I know now
The money I was throwing away,
I could have saved it and bought my own house

In my younger days, I wish I knowed then like I know now
Well, in my younger days, I wished I knowed then like I knowed now
I wouldn't be standing 'round, begging this woman to let me in her house

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若かった頃には 
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたがっていた
若かった頃には 
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたがっていた
ここにつっ立ったままでいたくない
家に入れてくれ、ってお願いするんだ

あの頃に戻って
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたいと思うんだ
あの頃に戻って
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたいと思うんだ
全財産を投げうって
俺自身のための住処を手にするのさ

若かった頃には 
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたがっていた
若かった頃には 
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたがっていた
ここにつっ立ったままでいたくない
家に入れてくれ、ってお願いするんだ

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Sonny Boy Williamson I`m A Lonely Man
Sonny Boy Williamson - Gettin Out of Town

The Waterboys / Red Army Blues

A Pagan PlaceA Pagan Place
The Waterboys



朝からの雪はぼたぼたと降り続いた。まるで、学校の社会科の副読本に載っていた北国の冬の暮らしの写真のように、一日中降り続いていた。関西で雪が降り積もることはとても珍しい。積雪自体が何年ぶりだろうか?ぼたぼたした雪が一日中降っていた、という記憶がほとんどないのだけれど。
日が暮れて、雪はやみ、はしゃいでいた子供たちの姿も消え、真っ白な世界だけが闇に浮かび上がる。明日の朝には、カチンコチンに凍りついた世界が現れるのだろう。

スコットランド出身のマイク・スコット率いるザ・ウォーターボーイズは、大好きなバンドのひとつだった。まるで少年向けの神秘的な冒険物語みたいに幻想的かつほのぼのとした感じの3rd[Thisi is the Sea]や、アイリッシュ・トラッド・フォークに原点回帰してゆく4th[Fisherman's Blues]も美しいけれど、このセカンドアルバムで描き出される、冷たく凍てついた風景が僕は好きだ。
荒れた手触りのサックスが氷河を渡る風のようにこだまし、ヴァイオリンが冬の月のように鋭利に輝き、その中を、まるでブリザードの中に閉じ込められたはぐれ狼の遠吠えみたいにマイクの声が響きわたる。それは、一日中降り続くぼたぼたした雪みたいに世界を真っ白く染めてすべてを覆い尽くしてゆく。

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♪Red Army Blues
When I left my home and my family
my mother said to me
"Son, it's not how many Germans you kill that counts
It's how many people you set free!"

So I packed my bags
brushed my cap
Walked out into the world
seventeen years old
Never kissed a girl

Took the train to Voronezh
that was as far as it would go
Changed my sacks for a uniform
bit my lip against the snow
I prayed for mother Russia
in the summer of '43
And as we drove the Germans back
I really believed
That God was listening to me

We howled into Berlin
tore the smoking buildings down
Raised the red flag high
burnt the reichstag brown
I saw my first American
and he looked a lot like me
He had the same kinda farmer's face
said he'd come from some place called Hazzard, Tennessee

Then the war was over
my discharge papers came
Me and twenty hundred others
went to Stettiner for the train
Kiev! said the commissar
from there your own way home
But I never got to Kiev
we never came by home
Train went north to the Taiga
we were stripped and marched in file
Up the great siberian road
for miles and miles and miles and miles
Dressed in stripes and tatters
in a gulag left to die
All because Comrade Stalin was scared that
we'd become too westernized!

Used to love my country
used to be so young
Used to believe that life was
the best song ever sung
I would have died for my country
in 1945
But now only one thing remains
but now only one thing remains
But now only one thing remains
but now only one thing remains
The brute will to survive!

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家族を残して故郷を離れた時、お母さんは僕に言ったんだ。
「何人のドイツ人を殺すかじゃないのよ、たくさんの人民を解放するのよ。」って。
そして僕はブラッシングされた帽子をかばんに詰め込んで、世界に足を踏み入れた。
17歳。まだ女の子キスをしたことすらなかった。

ヴォロネシ行きの列車に乗った。とても遠い道程を越えて、
防寒対策を施され、制服に着替え、母なるロシアに祈った。
1943年の夏。
自分たちがドイツ人を追い払うと信じていた。本当に信じていた。
そんな神様の声が聞こえた気がしたんだ。

僕たちはベルリンで暴れ尽くした。粉塵をあげて建物は崩れ去り、赤い旗を高く掲げ、すべてを茶色く燃やし尽くした。
そこで初めてアメリカ人に会った。彼は僕らとそう代わり映えのない男で、農夫の顔つきをしていた。テネシー州のハザードって土地の出身だと言っていた。

やがて戦争は終わった。僕にも解放指令が届いた。僕と200名近くの仲間は列車に乗せられステッティナーへ連れて行かれた。
そこで僕らは人民委員からキエフ行きを命じられた。
けれど、僕らがキエフにたどり着くことはなかったし、故郷に帰り着くこともなかった。
列車はタイガを越えて北へ向かった。僕らは切り離されて行進させられ、遠く遠く遠く遠く離れたシベリアの広い広い道の上で、縞のシャツを着て死ぬまで働かされたんだ。
同志スターリンが、西欧化された僕らを怖れた、ただそれだけの理由で。

かつて愛していた祖国
かつての若かった日々
かつて信じていた素晴らしき人生
まるで歌で歌われるような

僕は1945年、祖国のために死んだ。
たったひとつの心残りを遺して

生き残るのは野蛮人ばかり

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“Red Army Blues”は、祖国の正義を信じた若者が、祖国にいいように使われた挙句に、ゴミのように扱われて死んでゆく物語。
国家は人民のために存在するのか。それとも国家のために人民が存在するのか?
それは、決して「戦争があった頃」のテーマ、なんかじゃない。
それは、形を変えて、今も、僕らの暮らしと隣りあわせだ。
多くは望まないけれど、想像力のない誰かの無責任な振る舞いで人生を損ないたくはない、と願う。

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Waterboys ; The Whole of the Moon ; 1985 Concert

The Alarm / Marching On

Declaration: 1984-1985Declaration: 1984-1985
The Alarm



実は先日から、愛用のNETウォークマンが故障している。電源を入れてもディスクが回転する画面が延々と続くだけで一向に再生しないままで、先端技術の機械というものはこうなってしまったらもうお手上げだ。SONYのお客さま相談室へ電話したら、いろんなことをたくさん訊かれた挙句にサービスセンターへ持って行けと言われ、持ち込んだら「ハードディスクの破損・修理代2万円」だという。さしあたってそんな余裕はどこにもないので、古い携帯再生機を引っ張り出してきてカセットテープを聴いている。自ずと聴ける音源は、古いもの、懐かしいものに限られてしまうのだが、引き出しの奥を探っていくと、もはや忘れ去っていたようないろんなカセットテープが発掘され、それはそれで大いに楽しんでいる、というわけだ。

音楽は不思議なもので、聴いていた頃の空気感や思いまでをリアルに甦らせてくれる。
例えば、このTHE ALARM。ウェールズ出身の、U2がアコギでクラッシュを演ったような風情のバンド。彼等のメッセージは、とても性急で、とてつもなく青臭い。きっと若い頃にパンクに衝撃を受け、ジョー・ストラマーに心酔したに違いない、若き義憤と理想主義と誓いのような宣言。で、そんな彼等の青臭い音楽が、大好きだった。一緒に熱くなって、エアギターかき鳴らして吼えていた自分自身の姿が見える。
その頃の僕は一体何に怒っていたのか、何に吼え、かみつこうとしていたのか、何がそんなに不安だったのか、もはや言葉にすることは不可能だ。けれど、その頃のどこへもやり場のないような気持ちは、例えばこの曲を聴けば、ありありと思い起こすことができる。

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♪Marching On
Well,There's a young boy standing
Staring at the world
You know he can't control his anger
You can see it in his eyes
He's gonna smash the window
He's gonna tear down the walls
Hey mister you don't understand it
Take a look at it through my eyes
These are the kids they're powerless
So you tell them so
These are the kids they're powerful
Don't say you haven't been told

(And we'll go)MARCHING ON
Hear our sound hear our voice
We're growing stronger
(And we'll go)MARCHING ON
We're not alone and we're keeping on,
we'reMARCHING ON

Take a walk round your city walls
Before it all comes down (Tumbeling down)
Take a walk down any street
You're gonna feel the stares of us all
And can you feel it burning (Burning)
Shame is what it's called
You'd better look at what you have created
And think of all the people who hate you
These are the people that made you
When you said you cared for us all
These are the people who?l break you
Get prepared for the fall

(And we'll go)MARCHING ON
Hear our sound hear our voice
We're growing stronger
(And we'll go)MARCHING ON
We're not alone and we're keeping on,
we'reMARCHING ON

We're the young who stand up
We must never be silenced
We've gotta speak up now
For all our sakes
And lift our voices higher
`Let's sing our song
Keep on marching marching
And never forget
About the power on the right side
Fights the power on the left
We have got to stand together
Forget the east and west
'Cause there's another voice crying in the ghetto
Another mouth to feed
Another heart beating in the ghetto
Another soul to set free

(And we'll go)MARCHING ON
Hear our sound hear our voice
We're growing stronger
(And we'll go)MARCHING ON
We're not alone and we're keeping on,
we're going MARCHING ON

Keep on MARCHING, MARCHING, MARCHING ON
Lift up your voices higher
(MARCHING, MARCHING, MARCHING ON)
Oh yeah
Lift up your voices now
And sing this song

(MARCHING, MARCHING, MARCHING ON)
Cause our hearts must have the courage
To keep on MARCHING ON

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世界を凝視しながら
つっ立っている一人の若者がいる
彼の瞳は怒りに満ちて
その苛立ちを抑え切れないでいる
窓を叩き割り、壁に涙を流す
あんたにはわからないのかい?
俺の瞳を覗き込んでみても?
無力なガキどもとあんたはそうあしらうけれど
彼等はとてつもなく強力なパワーを持っているんだぜ

俺たちは行進してゆく
俺たちの声、俺たちの音楽を聴いてほしい
俺たちはどんどん強くなってゆく
俺たちは孤独じゃない
そして行進し続けてゆくんだ

俺たちは立ち上がる
黙らせることなんて出来はしない
俺たちは語りかける
どうかその声を広く取り上げてほしい
俺たちの歌を歌ってくれ
そして行進していこう
忘れてはいけない
右も左も関係ない 東も西も関係ない
ただ、ゲットーからの叫び声があるだけだ

俺たちは行進してゆく
俺たちの声、俺たちの音楽を聴いてほしい
俺たちはどんどん強くなってゆく
俺たちは孤独じゃない
そして行進し続けてゆくんだ

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♪68Guns/The Alarm

Big Country / In a Big Country

The CrossingThe Crossing
Big Country



1980年代前半。スコットランドやウェールズ、アイルランドといった英国の辺境の地から、高い精神性とパンクの反逆の精神を併せ持ったかっこいいロック・バンドが続々と出現していた。今や超ビッグネームになってしまったU2をはじめ、先の記事のウォーターボーイズやアラーム、エコー&ザ・バニーメン、ポーグス、デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ、アズテックカメラにペイルファウンテンズ、ブルーベルズ…先頃自国で環境大臣に就任したピーター・ギャレットのいたミッドナイト・オイルのオーストラリアも英国の辺境か。
その当時の英国が置かれた閉塞感や斜陽感、過去に倣った事なかれ主義がツケを更に拡大し、改革の痛みで人々の心は軋んでいる、そんな状況は今の日本とよく似ていたような気がする。改革よりも既得権益を守ることに汲々としている大人よりも、若者たちの方が状況を敏感に察知して何かを伝えようとしていたところも。
その当時、U2以上にかっこよくって人気があったのが、スコットランド出身のビッグ・カントリーだった。
バグパイプを模したようなスチュワート・アダムソンのギター、撥ねまくるリズム隊。雪で白く染まった雪原を、蒸気を吐きながら雄々しく走る機関車のように、ビッグ・カントリーの音楽は、力強かった。彼等の音楽から、蒸気機関車の吐き出す煙や、汽車の中で燃え盛る石炭の炎や、力強い車輪の回転が見えるような想いがした。
アダムソンはかつてスキッズというパンク系バンドでかつてデビューしているが、泣かず飛ばずで終わり、このビッグ・カントリーは彼にとって夢破れた末の最後のチャレンジ、起死回生のための再スタートだったのだろう。ポジティブに、しかも青臭い理想主義だけじゃない、破れた夢からの再生への思いを高らかに歌い上げた気持ち。その当時も好きだったけれど、むしろそれなりに年食った今のほうがよく分かる気がする。

“砂漠の中で花が開くことを期待してはいない”のだ。
砂漠に花を咲かせるような魔法なんてどこにもないし、そんな口先だけの約束は信じないほうがいい。ありのままの現実を受け入れて、その中でできることを誠意を込めてひとつづつひとつづつ積み重ねていくしかないのだ。そして、そんな仕事を続けていくためには、夢や理想、ビジョンが必要だ。それさえ見失わずに心に灯しておくことができたなら、僕らはまだまだ歩み続けてゆけると思う。

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♪In a Big Country
I've never seen you look like this without a reason
Another promise fallen through
Another season passes by you
I never took the smile away from anybody's face
And that's a desperate way to look
For someone who is still a child
In a big country dreams stay with you
Like a lover's voice fires the mountainside
Stay alive

I thought that pain and truth were things that really mattered
But you can't stay here with every single hope you had shattered

I'm not expecting to grow flowers in a desert
But I can live and breathe
And see the sun in wintertime
In a big country dreams stay with you
Like a lover's voice fires the mountainside
Stay alive
Stay alive

So take that look out of here it doesn't fit you
Because it's happened doesn't mean you've been discarded
Pull up your head off the floor come up screaming
Cry out for everything you ever might have wanted

I thought that pain and truth were things that really mattered
But you can't stay here with every single hope you had shattered

I'm not expecting to grow flowers in a desert
But I can live and breathe
And see the sun in wintertime
In a big country dreams stay with you
Like a lover's voice fires the mountainside
Stay alive

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特に理由などないけれど
あなたにはもう会えないのでしょう
約束は忘れ去られ
季節は通り過ぎてゆくものだ

誰かの顔から笑顔が
消え去ってしまうことを僕は望まない
まるで子供のようなその笑顔を

偉大なる故郷では
夢ははまだそこにある
恋人たちのささやきや
山の中腹の篝火のように
今も生きている

痛みも真実も重要なことだと僕は思う
けど、打ち砕かれたたったひとつの希望だけでは
きっとやってはいけないよ
砂漠の中で花が開くことを期待してはいない
けれど、僕は生きて、呼吸をしているから
この冬の時期にお日様が見えているから

偉大なる故郷では
夢ははまだそこにある
恋人たちのささやきや
山の中腹の篝火のように
今も生きている

少し距離を置いて眺めてみてご覧よ
そいつはきみには全然似合っていないし
それはきみが処分を受けるってことでは決してないんだから
顔を上げて、フロアに下りて、声を上げてみるんだ
ちょっとでもほしいと思ったことのあるものを
残らず求めるために叫び声を上げるんだ

痛みも真実も重要なことだと僕は思う
けど、打ち砕かれたたったひとつの希望だけでは
きっとやってはいけないよ
砂漠の中で花が開くことを期待してはいない
けれど、僕は生きて、呼吸をしているから
この冬の時期にお日様が見えているから

偉大なる故郷では
夢ははまだそこにある
恋人たちのささやきや
山の中腹の篝火のように
生き続けているんだ

U2 / I Still Haven't Found What I'm Looking For

The Joshua TreeThe Joshua Tree
U2
1987


雪は止み、よく晴れた日曜日。軒から滴り落ちる雪解け水は春を連想させるけど、風はまだまだ冷え切ってキーンと音を立てて耳元を掻っ切ってゆく。ゆうべ白い花を咲かせていた落葉樹の枝は、また元の枯れ木の風情に戻ってしまった。
1987年に発表されたU2の5作目のタイトルになった『ヨシュア・トゥリー』。ヨシュア・トゥリーとは、アメリカ南部の砂漠に生えるリュウゼツランの一種で、枯れ木のように見えながら実は砂漠にしっかりと根を張っていると言われている。そんなタイトルや、砂漠のジャケット写真がよく似合う荒涼とした風景の中で、敬虔な祈りのような気持ちが込められたアルバムだ。

実は発表当時、このアルバムが好きではなかった。
アメリカを旅して得たブルースやゴスペルやフォーク・ミュージックを貪欲に取り入れたこのアルバムでは、空を切り裂くような独特のエッジのギターは影を潜め、赤く燃え上がるようにエネルギッシュだったボノの声はなんだか苦悩に満ちて説教じみていた。スティーブ・リリィホワイトの録音による尖った音のベースとドラムも、このアルバムではもこもこした音に変わってしまった。ライブで大きな白い旗を掲げて振り回すようなパフォーマンスに象徴されるような、青臭いメッセージを性急に突き上げてくるような3枚目の『WAR』の頃のU2が大好きだった僕としては、何をいきなり掌返したように分別つけて聖職者を気取って説教たれているんだ、という気がして好きになれなかった。或いは、その当時ちょっと関わっていた学生劇団の芝居のオープニングの曲がこの“I Still Haven't Found What I'm Looking For ”だったせいで、この曲を聴くたびに今から舞台が始まる緊張感できりきりしたのを思い出すせいかも知れないのだけれど。

今、改めて聴きなおしてみて、その深さに圧倒されている。
青い怒りだけでは変革できない社会を、あきらめるのではなく、本当に深く物事を知って深く思慮して、地道に行動を積み重ねてゆくしかないのだと、そのためには世の中に対して謙虚にならなければならない、でなければ誰も自分の言葉などに耳を貸しはしないのだと思い知った、そんな潔さがひしひしと伝わってくる。そして、このアルバムをただの変節としか受け取らなかった自分の方が浅かったのだなぁ、と思い知ったのだった。
今や、聖者のような顔をして、温暖化を憂い、エネルギーの危機を訴え、アフリカの貧困撲滅のための慈善活動に取り組み、国家主席や世界経済を牛耳る人間とさえ会談するほど、ある意味胡散臭い人間になってしまったボノ。それでも彼はまだ「私はいまだ、求めているものを手にしてはいない」と歌うのだろう。

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I Still Haven't Found What I'm Looking For
I have climbed highest mountain
I have run through the fields
Only to be with you
Only to be with you

I have run
I have crawled
I have scaled these city walls
These city walls
Only to be with you

But I still haven't found what I'm looking for
But I still haven't found what I'm looking for

I have kissed honey lips
Felt the healing in her fingertips
It burned like fire
This burning desire

I have spoke with the tongue of angels
I have held the hand of a devil
It was warm in the night
I was cold as a stone

But I still haven't found what I'm looking for
But I still haven't found what I'm looking for

I believe in the kingdom come
Then all the colors will bleed into one
Bleed into one
Well yes I'm still running

You broke the bonds
and you loosed the chains
Carried the cross
Of my shame
Of my shame
You know I believed it

But I still haven't found what I'm looking for
But I still haven't found what I'm looking for
But I still haven't found what I'm looking for
But I still haven't found what I'm looking for...

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高い高い山にも登った
広い野原を駆け回りもした
あなたと共にいるために
あなたと共にいるために

逃げまどい
はいつくばり
この街の壁の広さを推し測る
あなたと共にいるために

けれど、私はいまだ、求めているものを手にしてはいない

あまい唇にキスをして
彼女のフィンガーチップに癒される
それはまるで炎のように
欲望に火をつける

天使と共に語り合い
悪魔に手助けされた
夜のぬくもりの中で
氷のように冷えきっていた

けれど、私はいまだ、求めているものを手にしてはいない

いつか理想の国が訪れると信じている
すべての色の人々が同じ色の血を流す
すべての人々が
だから私はいまだに走り続けている

束縛を破り
鎖を引きちぎり
十字架を握り締め
私の恥辱を
あなたは私がそれを信じていることを知っている

けれど、私はいまだ、求めているものを手にしてはいない

中島みゆき / 小石のように

親愛なる者へ親愛なる者へ
中島みゆき



未だNETウォークマンは壊れたまんま。それで、古いカセットテープを整理していたら、ダンボールの中から中島みゆきのテープが出てきた。『臨月』と『寒水魚』と、その当時自分で作った自己編集テープ。1982、3年か。
あの頃の中学生にとってレコードは高かった。レコード(LPレコードだ)を買いたいと思ったら、まず友人に持っていないかを聞いてみる。友人が持っているものは借りて済まして、誰も持っていないものを買う。もちろんレンタルレコード店すらない時代だ。アリスも松山千春もオフコースも甲斐バンドもそうやって入手した。中島みゆきはOという奴が大好きで、彼から全部借りた(奴は今どうしているのか?高校卒業以来音信不通だ、もっとも音信不通なのは僕の方なのかもしれないが)。
傷をつけないように大事に大事に袋から出して、慎重に針を落とす。カセットテープも高価だったからそうそう全部を録音することができなくて、詞をノートに書き写して記憶し(写経か!)、いつでも頭の中で再生できるように聴きこんだ。それでもどうしてもこれは好き、というものだけをテープに一曲づつ録音した。頭出しの機能なんてないから、前の曲の最後を残さず次の曲の頭を切らさずに録音するのは至難の業だった。それでも自己編集テープを作ったりしたのだから、ヒマだけはめちゃくちゃあったのだろう。
ちなみに自己編集テープの曲目はこうだった。

A1 時代          (『私の声が聞こえますか』より)
 2 ホームにて      (『ありがとう』より)
 3 泣きたい夜に     (『生きていてもいいですか』より)
 4 世情          (『愛していると云ってくれ』より)

B1 タクシードライバー  (『親愛なる者へ』より)
 2 根雪          (『親愛なる者へ』より) 
 3 小石のように     (『親愛なる者へ』より)
 4 夜曲          (『臨月』より) 

中学生の割には我ながら渋い選曲してるじゃないか…と思ってしまった。

その頃、時代は大きく変わろうとしていた。中島みゆきは「ネクラ」と呼ばれ、「暗い」「重い」と時代から敬遠されつつあった。メッセージ性のある歌は過去の遺物とされて、軽薄な時代の扉が開いていた。けれど、今聴いてみてどうだろう?その頃もてはやされたシュガー・コーティングされた薄っぺらいポップ・ソングは結局時代の波の中に姿を消し、或いは懐メロとしてただ過去を懐かしむ以外の機能を果たさないけれど、中島みゆきの歌は時代を超えて今も心の奥底まで響いてしまう。人の営みの愚かさやそれゆえの愛おしさはどんな時代にもいつもある、ということなのだろう。

『親愛なるものへ』に入っていた「小石のように」は、カントリーみたいに軽快で、ささやかながらも前向きな希望(もちろんそこへ至るまでの深く暗い絶望もさりげなく触れられているけれど)が歌われていて、失恋やそのことへの恨みや嘆きを取り扱った重く暗い曲の多かった中島みゆきにとっては異色な一曲。この曲は大好きだった。
夢を見て希望を抱いて、街に出て、しかしそうそう夢など簡単に実現するわけもなく、身を削られてだんだんと小さくなって、自分自身の存在価値すらいつか見失ってしまう…そんな人たちを暖かく見守り励ますメッセージを小石の旅に例えた物語。
久しぶりに聴いて、不覚にも泣けてしまった。

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小石のように
山をくだる流れにのせて
まだ見ぬ景色あこがれ焦がれ
転がりだす石は16才
流れはおもい次第

旅をとめる親鳥たちは
かばおうとするその羽根がとうに
ひな鳥には小さすぎると
いつになっても知らない

おまえ おまえ 耳をふさいで
さよならを聞いてもくれない
とめどもなく転がりだして
石ははじめて ふりむく

川はいつか幅も広がり
暗く深く小石をけずる
石は砂に砂はよどみに
いまやだれにも見えない

おまえ おまえ 海まで百里
坐り込むにはまだ早い
石は砂に砂はよどみに
いつか青い海原に

おまえ おまえ 海まで百里
坐り込むには まだ早い
砂は海に海は大空に
そしていつかあの山へ
砂は海に海は大空に
そしていつかあの山へ

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もう一曲、大好きだった、大人のための子守唄を。
大人は人前で泣いたりはしないけれど、毎日アリのようにせっせせっせと働いて疲れ果てているのならば、たまには思いっきり泣いてみることも、許されると思う。

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泣きたい夜に
泣きたい夜に一人でいるとなおさらに泣けてくる
泣きたい夜に一人はいけない誰かのそばにおいで
一人で泣くとなんだか自分だけいけなく見えすぎる
冗談じゃないわ世の中誰も皆同じくらい悪い

まるで暗い流れを渡るひな魚のように
泣きたい夜に一人はいけない あたしのそばにおいで

涙だけは大きなタオルでもあれば乾くだろう
けれど心の傷口は自分では縫えない
子供の頃に好きだった歌の名前を言ってごらん
腕の中で聞かせてあげよう心が眠るまで

なんて暗い時代を泳ぐひな魚のように
泣きたい夜に一人はいけない あたしのそばにおいで

なんて暗い時代を泳ぐひな魚のように
泣きたい夜に一人はいけない あたしのそばにおいで

泣きたい夜に一人はいけない あたしの胸においで

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生きていてもいいですか生きていてもいいですか
中島みゆき

Tom Waits / Blue Valentines

Blue ValentineBlue Valentine
Tom Waits



♪Blue Valentines
She sends me blue valentines
all the way from philadelphia
to mark the anniversary
of someone that I used to be
and it feels just like there's
a warrant out for my arrest
got me checkin' in my rearview mirrror
and I'm always on the run
thats why I change my name
and I didn't think you'd ever find me here

to send me blue valentines
like half forgotten dreams
like a pebble in my shoe
as I walk these streets
and the ghost of your memory
is the thistle in the kiss
and the burgler that that can break a roses neck
it's the tattooed broken promise
that I hide beneath my sleeve
and I see you every time I turn my back

she sends me blue valentines
though I try to remain at large
they're insisting that our love
must have a culogy
why do I save all of this madness
in the nightstand drawer
there to haunt upon my shoulders
baby I know
I'd be luckier to walk around everywhere I go
with a blind and broken

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彼女が送ってよこした
青いヴァレンタイン・カード
記念日に送られた
遠くフィラデルフィアから
あの頃を思い出させる
まるで牢獄からの外出許可証のようだ
或いはふと思い立って鏡で後姿をチェックするような

名前を変えた理由は
俺は今も逃亡の途中だから
おまえが俺の居場所を知ってるなんて思いもしなかった

彼女が送ってよこした
青いバレンタイン・カード
まるで半分忘れかけた夢のように
靴の中の小石のように
街を歩くたびに
おまえの思い出が俺を追い掛け回して
茨のようなキスをして
バラをへし折るような気分にさせる
タロットの占いははずれ
俺は袖の下に隠れこむ
振り向くたびにおまえの姿が見える

彼女が送ってよこした
青いバレンタイン・カード
いろんなことを思い出させる
俺たちの愛を激しく主張する
なぜ俺はこんな激しい思いを
サイドテーブルの引き出しにしまったままにしていたのだろう

そこで俺はたまり場へ出かけてゆく
べろんべろんに酔っ払っても大丈夫な場所があるだけでも
俺はラッキーなんだろう

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ヴァレンタイン・デイ。
世界中のあちこちの、たくさんの人の胸の中で、それぞれの思いが、
かたちになったりならなかったりしながら交錯する日。

そんな日は、トム・ウェイツで酔っ払ってしまうに限る。
ジャジーなギターに乗せて、何かにかきたてられるように狂おしく、独特のダミ声を絞りだすトム・ウェイツ。
そんな音楽が共にあるだけでも、俺はラッキーなんだろう。

Babyface / Change the World

MTV Unplugged NYC 1997MTV Unplugged NYC 1997
Babyface



♪Change the World
If I can reach the stars,
Pull one down for you,
Shine it on my heart
So you could see the truth:
That this love I have inside
Is everything it seems.
But for now I find
It's only in my dreams.

And I can change the world,
I will be the sunlight in your universe.
You would think my love was really something good,
Baby if I could change the world.

And if I could be king,
Even for a day,
I'd take you as my queen;
I'd have it no other way.
And our love would rule
This kingdom we had made.
Till then I'd be a fool,
Wishing for the day...

That I can change the world,
I would be the sunlight in your universe.
You would think my love was really something good,
Baby if I could change the world.
Baby if I could change the world.

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もし星に手が届くなら
そのひとつをもぎとってあなたに捧げたい
僕の心で輝いて
真実を照らしだす

僕の心の内に秘めた想い
それがすべてだと思っていた
けど、それはわかってたんだ
それはただの夢

もし世界が変えられるなら
あなたの宇宙の光になりたい
僕の想いはきっとあなたにもわかるはず
あぁ、もしも世界が変えられるなら

もしたった一日だけでも
王様になれるとしたならば
僕はあなたを女王に選ぶだろう
それ以外に考えられない
その僕らの王国では
僕らの愛だけがすべて
そんな日がくればいいな、
なんて、馬鹿なことを考えている

もし世界が変えられるなら
あなたの宇宙の光になりたい
僕の想いはきっとあなたにもわかるはず
あぁ、もしも世界が変えられるなら

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クラプトンをはじめ、スティーヴィー・ワンダーやKC&JOJOなどとの共演で話題になった、ベイビーフェイスの1997年のライヴ盤。
やっぱりソウルは生音がいい。冬の夜の暖かな暖炉のように、温もりが伝わってくる。
そのオープニングは、ベイビーフェイスのプロデュースでクラプトンが先にリリースしていたナンバーの共演セルフ・カバー。
たわいもない、可愛らしく、イノセントなラヴ・ソング。

もしも世界が変えられるなら。
いや、世界が変えられなかったとしても、あなたの宇宙の光になりたいと願う。

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Eric Clapton - Change the World (Clapton & his Friends)

James Ingram / How do you keep the music playing?

It's Your NightIt's Your Night
James Ingram



この時期になるとレコード店の店頭には必ず飾られる甘いラヴ・ソングばっかりを集めたオムニバスのCD。実際暮らしの小道具としての需要があるのだろう。手を変え品を変えいろんなものが発売される。そのことをとやかくいうつもりはないけれど、個人的には甘いものは苦手だ。食べ物も、音楽も。おなかにもたれるのだ。
それでも時々は、大甘のくどいくらいのラヴ・ソングに浸りたくなることがある。特に、こんな寒い冬の日には。暖炉でかじかんだ手を温めるように、いろんなことを想い出しながら。

80年代にはいわゆるブラック・コンテンポラリーと称する、洗練されたソウル・ミュージックが流行した時期があったけれど、そのほとんどが僕にはしっくり来るものではなかった。あまりにも見え見えの売れ筋狙いのくどさが鼻についた。
そんな中で何故か好きだったのがジェイムス・イングラム。
甘く、くさく、大袈裟なバラッドの数々。けど、何故かくどくはない。おなかにもたれないのだ。どんなにベタベタなラヴ・ソングでも、しっかりと情感は込めつつも決して下品にならずに、ぱりっと清潔に歌い上げる。どこか歌の中にちゃんと芯が通っている。自分自身のからだや気持ちの「枠」をしっかり持っていて、与えられた仕事であっても言われるがままではなく、求められているものと自分のフィルターを通じて出てきたもののバランス感覚をしっかりと持って表現している。数多くいたブラコン・シンガーの中で、この人だけはそういう印象を持った。

実際日常生活の中でも、そういう人が好きなのだと思う。男でも女でも。
そんな人が持つある種の清潔さを、品格と呼ぶのだろう。

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How Do You Keep The Music Playing
How do you keep the music playing?
How do you make it last?
How do you keep the song from fading too fast?
How do you lose yourself to someone?
And never lose your ways
How do you not run out of new things to say?
And since we're always changing
How can it be the same?
And tell me how year after year
You're sure your heart will fall apart
Each time you hear his name
I know the way I feel for you
It's now or never
The more I love the more that i'm afraid
That in your eyes I may not see forever..
Forever...

If we can be the best of lovers
Yet be the best of friends
If we can try with everyday to make it better as it grows
With any luck, then I suppose
The music never ends

I know the way I feel for you
It's now or never!
(How do you keep the music playing?)
The more I love the more that I'm afraid
(How do you make it last)
That in your eyes I may not see forever
Forever...
(How do you keep the song from fading, keep the song from fading too fast)
If we can be the best of lovers
Yet be the best of friends
If we can try with everyday to make it better as it grows
With any luck, then I suppose
The music never ends

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どうやって、音楽を奏で続けていこう?
どんな方法で?
あまりにもあっという間に終わってしまう歌を
どうやって歌い続けていこう?
どうやって、自分自身を見失わないでいられるだろう?
どうやって、新しい現実から目を背けずにいられるだろう?
僕たちはいつも変わり続けていくから

もし僕たちが最高の恋人になれるのならば
最良の友人でいられる
どんな運命であろうとも
もし僕たちが毎日をよりよく生きようとするのならば
音楽は決して終わらない

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JUST ONCE - QUINCY JONES E JAMES INGRAM

The Greatest Hits: The Power of Great MusicThe Greatest Hits: The Power of Great Music
James Ingram

上田正樹とサウス・トゥ・サウス [この熱い魂を伝えたいんや]

この熱い魂を伝えたいんや(紙ジャケット仕様)この熱い魂を伝えたいんや
上田正樹とSOUTH TO SOUTH
1975


日本人の演るソウルやR&Bなんて所詮「ごっこ」だと思っていた。黒人音楽に憧れて、スタイルからファッションから何もかもを真似ようとするほどに、残念ながら、なんだかとても滑稽になってゆくのだ。けど、このアルバムに残されたソウルは、本物だ。

「この熱い魂を伝えたいんや、ええか!わかるか!」
若き日のキー坊の熱いシャウトが炸裂する。
ほんとに、心から、ソウル・ミュージックが大好きなんだな、ってことがビシバシと伝わってくる。藤井裕のブリブリとした底から突き上げてくるようなベース、正木五郎のシンプルだけどタイトなドラムス、そしていなたい中西康晴のピアノ、有山淳司とクンチョーのギター。聴いていてゾクゾクする。もし僕がこのときにそれなりの年齢でこのライヴに居合わせたら、きっと人生ひっくりかえったんだろうな、と思わされてしまうような実況盤は、そう多くはない。

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最終電車
どぎっい匂いの香水が鼻をつく
イカした女でもないのに
男の目をひく

最終電車に飛びのって
家に帰るのは もう うんざり
俺から見たら まわりは バラ色……

消えたネオンの街角を手ぶらで
帰りはじめる
すれちがったてんぐ野郎と話もないのに
俺から見たらまわりはバラ色…

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それから、もちろんキー坊は最高にかっこいいのだけれど、このアルバムの白眉は、クンチョーがリード・ヴォーカルをとる"Love me tender"。そう、あのプレスリーの名曲。イントロから渋くいなたくソウル・バラード風に入ってきて、クンチョーがピンと張った声で歌い始める瞬間はいつ聴いてもゾクゾクする。
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Love me tender
Love me tender,
love me sweet,
never let me go.
You have made my life complete,
and I love you so.

Love me tender,
love me true,
all my dreams fulfilled.
For my darlin' I love you,
and I always will.

Love me tender,
love me long,
take me to your heart.
For it's there that I belong,
and we'll never part.

Love me tender,
love me dear,
tell me you are mine.
I'll be yours through all the years,
till the end of time.

Love me tender,
love me true,
all my dreams fulfilled.
For my darlin' I love you,
and I always will.

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Masaki Ueda - Tokyo Express

上田正樹と有山淳司 [ぼちぼちいこか]

ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)ぼちぼちいこか
上田正樹と有山淳司
1975

俺の借金 全部でなんぼや
お好み焼屋の ゆうちゃんから 5000円 借りてきて
全部 パチンコで 負けてもたから
乾物屋の中西に 8000円 借りた
そやから ゆうちゃんに 3000円 返して
2000円 だけ 競馬をやったら
19000円 勝ってしもた
そのなかから 6000円 乾物屋の中西に返して
残りで 飲みにいったら
3600円 足れへんかった
馴みの店やし 明日払うわ 言うて
帰りに車代 1000円 借りた
途中で アルサロの くんちょうに会った          
くんちょうが ポーカーをしようと言うたので
おかまの五郎ちゃんと 朝まで やってしもた
結局 5000円 負けてしもた

あくる日 有山に 6000円 貸した中から
なんぼか 返してくれと言ったら
3200円 返してくれた          

俺の借金 全部でなんぼや
俺の借金 全部でなんぼや
俺の借金 全部でなんぼや

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大阪人=ヤクザ、お笑い、商売人・・・などと揶揄されていた時代がもう遠い昔に思えるほど今や大阪弁は全国区で認知された感があるけれど、それよりもっとずっと昔に、大阪弁でカントリィブルースを邦訳していた男たちがいた。上田正樹と有山淳司の『ぼちぼちいこか』。このアルバムの「とったらあかん」とか「俺の借金全部でなんぼや」の笑いの取り方は大阪人ならではの感がある。検索してみたら、この曲を取り上げて「で、本当は借金はいくらなんでしょう?」とクイズを出すようなブログの記事が思いのほかたくさんあった。それくらい耳に残るインパクトのある歌ではあるが、単なるコミック・ソングではない。この曲のテーマは、つまりは、ユーモアの向こうに滲み出る、どん底の暮らしの悲哀。
1900年代初頭アメリカ南部で生まれたブルースは、そもそもは奴隷労働に従事した黒人たちの、癒しと慰めと憂さ晴らしのため音楽であるわけで、そこには世の中の底辺から見た怒りや笑いがある。もはや笑うしかないほどせっぱつまったどん底の暮らしの中で育まれてきた、それがブルース。上田と有山がこのレコードで表現したのは、スタイルとして真似してみただけののブルースではなく、ブルースのスピリットそのものだったのだ、と思う。

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♪あこがれの北新地

憂歌団 / ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース

yukadan.jpg

憂歌団
憂歌団
1975

関西弁でブルース、といえば、そういやまだ記事にしていなかった、そう、憂歌団。
学生の頃、京都でしょっちゅうライヴ演っていて、何度も見に行った。本当に心の底から笑い、しんみりし、熱くなる、素直に音楽って楽しい、と思えるライヴだった。きっとこのまんまこの先何十年も、くたばるまでブルースを演り続けてくれるのだろうと思っていただけに、解散は本当に意外だった。

ブルース=暗い音楽、という認識が一般的には根強くあると思う。けれど、憂歌団を見ていると、そうじゃないと思う。時には失笑してしまうような滑稽さも含めた、人間の喜怒哀楽すべてを歌う歌、それがブルース。どんなヘヴィな出来事でも最終的には笑ってしまう、笑いとばす、或いは笑うしかない・・・そんな人間の強さも弱さもひっくるめた音楽、それがブルース。そんな意味では日本で唯一無比のブルースバンドが憂歌団だったのだと思う。

大好きな"ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース"。
なんてことはない、物語にすらならない普通の日常の描写なのに、こんなにも泣けてしまうのはなぜなんだろう。

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♪ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース
港が見える小さなパン屋
メリーという名の 女が焼いてる
甘くて、酸っぱい、メリーが焼いたジェリー・ロール
最高の味だよ
ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース
No Mummy
ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース

あんたも一度 訪ねておいでよ
メリーが心こめて 焼いてくれるよ
甘くて、 すっぱい メリーが焼いたジェリー・ロール
最高の味だよ
ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース
No Mummy
ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース

港が見える小さなパン屋
メリーという名の 女がコネてる
酸っぱいにおいの メリーがコネたジェリー・ロール
最高の味だよ
ジェリー・ロール・ ベイカーズ・ブルース
No Mummy
ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース
ジェリー・ロール・ベイカーズ・ブルース

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Yukadan - Chicago bound 1998 Last live

BORO / 軽蔑

ゴールデン☆ベストゴールデン☆ベスト

BORO



掲載のベストアルバムは、デビュー時のユニバーサル・ジャパンの音源のもの。大好きだったヴィクター・インヴィテーション時代のものは、現在CD化されていないようで、入手不可能だ。そんなわけで、大好きだった1980年代前半のBOROを、僕は古びたカセット・テープでしか聴くことができないでいるのだけれど、この頃のBOROは本当によく聴いた。多分、ラジオの深夜放送のパーソナリティをやってたんだったと思う。島田紳助といっしょに、だったっけ、それともよくゲストで来てたんだったっけ。あの頃、深夜ラジオから聴こえてくる言葉は、僕のたったひとつの逃げ道、数少ない理解者、「あなたのため」と言いながら自分の都合を押し付けてくる親と教師以外の大人との接点だった。
少しくぐもった声で言葉を溜めて遠吠えのように歌うBORO。
孤独をまとった佇まい、シニカルな表現、しかし、その向こう側にある愛する者、特に傷ついた者や疲れた者への優しい眼差し。

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軽蔑
一から百まで数えて暮らす そんな友に愛想が尽きた
裏目裏目へとコマは進み 友は私を軽蔑し始めた

人が人生を語りだすとき 難しい言葉を並べ始める
一刻 刻一刻と 時は過ぎるのに 無駄な相手と争うことはない

ここは天国 ここは天国
煙うらまく街角で そう思いたい

夢から覚めたら ここは現実 
当たり障りのないようにうつむいて暮らそう 

ご意見無用と粋がるな、友達よ 
いつも最後に勝つのは お金持ちばかり

ここは天国 ここは天国
扉に囲まれた ここは天国

ここは天国 ここは天国
生き地獄のような ここは天国

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TV_紳助 BORO part1
TV_紳助 BORO part2

KAJA & JAMMIN’ / Earth

EARTHEARTH
KAJA AND JAMMIN’



カジャ&ジャミン。
全国的にはどれくらいの知名度があるのだろう?TVドラマ『ハングマン』の主題歌「ありがたや節」を演っていたレゲエ・バンド。僕にとっては、学生の頃幾度もライヴに足を運んだ、とてもなじみのあるバンドなのだけれど。その頃、レゲエはヒップだった。ドレッド・ヘア、赤・黄色・緑のラスタカラーの毛糸の帽子、街へ出れば、そんなレゲエ・ファッションの連中がうろうろしていた、そんな80年代中頃の京都の路地裏。
ステージで「ボブ・マーリィは神様です!」と叫び、踊り、すけべそうに笑うおっさん、それがKAJA氏。スカ調のUPなレゲエから、ギターを持って少しかすれた声で歌うバラードまで、KAJA氏の声には、いつも、芯の強いポジティヴなエネルギーと、哀しみを裏側に秘めたような独特の優しさがあふれていた。
世の中で起きているいろんな悲しいことや辛いこと、あちらを立てればこちらが立たない、そんなどうにもならないようながんじがらめの社会の構造。それはそれでありつつも、笑って踊ってしまえ!みたいな姿勢。享楽的に「嫌な事を忘れるために踊ってしまえ」というのでは決してなくて、「あれもこれも抱え込んで、抱え込んだまま、それでも踊る」というようなニュアンス。わかってもらえるだろうか。
たぶん、今も、どっかで、こりもせずに、歌ってる。

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Believed
子供のときは嘘をついたら
朝から晩までドキドキしていた
たまらないほど胸が痛くて
心の中で謝っていた
小さな出来事だけど
いつもいっぱい感じていた

優しい笑顔
優しい言葉
優しい愛を
ほんとうに信じてた

人の波間に溺れてしまう
寂しすぎて息ができない
どんな言葉も役に立たない
抱きしめられて眠りたいだけ
何も感じられない
時の流れに浮かんでいるだけ

優しい笑顔
優しい言葉
優しい愛を
ほんとうに信じてた

汚れてゆく自分が見えない
理由をつけて人を罵る
そうでもしないと生きてゆけない
悲しすぎるよ そんな世界は
今更きれいごとなんて
言えるはずもないけれど

優しい笑顔
優しい言葉
優しい愛を
ほんとうに信じてた

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KAJA&JAMMING.com

Bob Marley & The Wailers / So Much Trouble in The World

Rebel Music (New Packaging)Rebel Music

Bob Marley



原因が特定できないまま、中国餃子事件…事件?騒動?問題?…の報道の温度は日を追うごとに鎮まりを見せている。あれほど殺気だって「国産品以外買わない!」と騒いでいた主婦は、今日何を食べたのだろう?買い物するとき裏の表示を見たところで、店員に聞いたことろで、100%避けれっこないってことに気付いただろうか?「中国からの輸入は停止すべき」とのたまっていたコメンテイターが今朝飲んだ味噌汁のわかめは果たして国産だったのだろうか?新聞でも、事件の云々かんぬんの記事は影を潜めて、「消費者は保護されるべきか」とか「食品表示に関わる法令について」とか「日本の自給率について」とか、解説調の記事が増えた。テレビはもはや、次のこきおろしターゲットを見つけることに躍起になっている。大声で叫んでいるのは無責任な週刊誌の見出しばかり。

あの事件からはいろんな、今の日本の、世界の「問題点」が見えたのだと思う。批判すればするほど、その批判はいずれ自分自身のふるまい方に返ってくることがわかってしまったから、誰も何も大声でいえなくなってしまった、そんな気がする。

中国と日本の経済格差の問題。それがあって初めて成立する「便利で」「手間のかかった」加工品。経済格差の名を借りて潜む、日本と中国に間に横たわる憎しみや偏見。

そもそもの日本の世界の中でのポジション。石油と穀物を大国に握られたままの経済大国。砂上の楼閣のような繁栄でしかないのに、世界中から贅沢品をかき集めて、祖先がこの四季に恵まれた土地で培ってきた技術を次世代に伝えないまま朽ち果てさせてゆく。

自給率が40%をきるほどに国から「農」の根本を失わせたのは都市化と工業化。それに伴って増えた核家族と、個人主義という名の下に消えた地域の絆。けれど、その都市化と工業化のお陰で今の繁栄がある、そんなパラドックス。

餃子なんて手作りすべきだという論調に垣間見えた男性側の論理。手作りなんてしてたらいくら時間があっても足りない、手作りすべきという意見そのものが女性を家事労働にしばりつけている、という女性側の論理。私たちの頃は手作りした、冷凍食品なんて使わなかった、という姑のひとことが事態をややこしくする。

消費者行政と言いながら結局縦割り行政の枠から抜け出せないまま、過去の悪しき前例主義で事なかれで済まそうとしてきた行政と企業。一方で、消費者の権利と言いながら、自分で学ぶことすら放棄して、ただ与えられるのを待って右往左往している人たち。
事件を冷静に振り返る中で、そもそもそんな商品を支持し、作らせてきたのは、国産の農業も工業もを衰退させてきたのは、自分たちの消費行動そのものだったことに気付いてほしい。「消費行動が生産を作る、その逆はない」と昨日の新聞の記事に農家の方のコメントがあったのだけれど、まさにその通りだと思う。
けれど、マスコミから消費者まで、大きな問題が起きた時に、ヒステリーと興味本位だけで大騒ぎして一種のお祭りにしてしまうこの国の本質は、戦争に巻き込まれていった頃と結局何にも変わっていないのじゃないだろうか、という恐ろしさも同時に感じたりもした。

ボブ・マーリィが歌ったのは、搾取される側、つまり、自分の口に入らないものを誰かの命令で作っている人たち、からの視点の歌。だからこそ、第三世界を中心に、抑圧されてきた人々に圧倒的に支持されたのだ。
そもそも経済格差があって成り立っている世界の構造。富は集まるところに集まり、貧しい場所からは更に吸い上げられてゆく。そのことに気付いて是正しようとした共産主義すら人間の欲望の前には機能しないことがもう20年も前に証明されてしまった。貧しさは連鎖し、憎しみも連鎖する。その連鎖を停めるのは貧困からの脱出なのだろうけれど、しかし、すべての人々が今の先進国並みの贅沢な暮らしをするだけの、エネルギーがもはや地球にはないし、そんな事態に地球は環境は耐えられない。

かつてマーリィが歌ったように、世界はトラブルに溢れている。
にっちもさっちもいかない世界で、さぁ、僕らは一体何をすれば良い?
せめて、自分の身の回りことくらいは自分でできるように、自分自身に不相応で手に負えそうもないことには手を出さないように、そんな慎ましさを持って生活していこう、と改めて思った。

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♪So Much Trouble In The World
So much trouble in the world now [repeat]

Bless my eyes this morning
JAH sun is on the rise once again
The way earthly things are going
Anything can happen

You see men sailing on their ego trips
Blast off on their spaceships
Million miles from reality
No care for you, no care for me

So much trouble in the world now [repeat]

All you've got to do is give a little
Give a little, give a little
One more time ye-a-h! ye-ah!

So you think you have found the solution
But it's just another illusion
So before you check out your tide
Don't leave another cornerstone standing there behind
We have got to face the day, ooh we come what may
We the street people talking, we the people struggling

Now they are sitting on a time bomb
Now I now the time has come
What goes up must come down
Goes around comes around
So much trouble in the world
So much trouble in the world
So much trouble in the world
There is so much trouble, there is so much trouble
There is so much trouble
There is so much trouble in the world
There is so much trouble in the world

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世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている
世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている

お日様がまた昇って
僕の目に恵みをもたらしてくれる
自然はただ回り続けてゆくから
どんなことだって起こり得るのだ

人々のエゴを乗せた宇宙船が
ふらふらと舞い上がっていくのが見えるかい
現実から100万マイルも離れた場所で
僕や君を置き去りにしたまま

世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている
世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている

あんたがたのやっていることは
とれるものだけとりきって
与えることはほんのわずか
たったのたったのたったのわずか

解決方法が見つかったかと思ったら
また別の幻想が現れる
潮の流れをチェックする前に
あの曲がり角を曲がってしまっていたんだ
毎日直面するいろんな問題
どんなことが起きようとも
我々現場を知る人間が話し合って
悪戦苦闘していくのだ

みんな時限爆弾の上に座っている
今、時が訪れて
やってくる、やってくる、やってくる

世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている
世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている

ザ・クロマニヨンズ / タリホー

ザ・クロマニヨンズ (通常盤)ザ・クロマニヨンズ
ザ・クロマニヨンズ



星占いなんて信じたためしはない。占いなんて、言葉のとらえ方一つでどうにだって解釈できるようになっているものだし、運勢なんて信じない。けれど、自分がうお座の生まれだということはなぜかとても気に入っている。うお座生まれの人というだけで好きになってしまいそうなくらいだ。
うお座だからというわけでもないだろうが、水辺が好きだ。海でも川でも湖でもちいさなせせらぎでも、水辺では心が休まる気がする。川のほとりの堤防なんかに車を停めてぼぉっとするのが昔から好きだった。

ハイロウズを解散させたヒロト&マーシーのザ・クロマニヨンズのデビューシングル「タリホー」。
タリホー??なんじゃそれは、という不可解なボキャブラリー、意味不明の歌詞。きっと書いた本人にも意味はわからない、意味なんてない、イメージのフラッシュなんだろうけれど、「沸いたり」「冷めたり」海へ」「空へ」…そんな言葉から連想するのは「水」。
沸いたり冷めたり凍ったり溶けたり蒸発したり溜まったり浸みこんだり、雲になって雨になって雪になったり氷になったり岩を砕いて川を流れて田んぼを潤し人を潤し海へ流れて空へ帰る、「水」。
いろんな姿に形を変えて、けれどどこまでいってもその本質は変わらない。
熱くなって蒸発してしまいそうな時も、落ち込んで凍りついてしまいそうな時も水は水。H2Oには変わりはないのだ。
ほっときゃそのうち流れるさ。

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♪タリホー
わいタリホー さめタリホー
氷もほっときゃ流れるぜ

あれはかもめか翼の上か
そのまま長い堤防か
形は変わる
自分のままで
あのとき僕はああだった

闇に溶けてゆく
海へ
海へ
まぶしい陽に昇る
空へ
空へ

わいタリホー さめタリホー
氷もほっときゃ流れるぜ

ほんとうの時 教える時計
おもいを測る 温度計
涙の記憶 消えたりしない
漂っている 赤道か

闇に溶けてゆく
海へ
海へ
まぶしい陽に昇る
空へ
空へ

わいタリホー さめタリホー
氷もほっときゃ流れるぜ
わいタリホー さめタリホー
氷もほっときゃ流れるぜ

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ふと気になって調べてみたら、ヒロトもマーシーも、うお座生まれだった。だからってどうだということではないのだけれど、また改めて好きになってしまった。

レッド・ウォーリアーズ / Royal Straight Flash R&R

レッド・ソングス 〜ベスト・ソングス・コレクションレッド・ソングス 〜ベスト・ソングス・コレクション
レッド・ウォーリアーズ



『他人から見たらおかしなことにいかに心血を注ぎ込み、華麗に人生を損ねる事ができるか?』…そんな、昨日も明日もない刹那的な瞬間に人生の全てを賭ける事の出きるスリルこそがロックンロールのかっこ良さの本質だと思う。そしてそんな本質を見事なまでに体現してくれたのがレッド・ウォーリアーズだった。
1985年、人気ブレイク寸前だったレベッカをクビになった木暮武彦と、一度は夢を諦めて堅気の職についた田所豊が、起死回生の一発逆転のギャンブルを狙って結成したレッド・ウォーリアーズ。時代はバブルの絶頂期、おしゃれでスマートで、手入れの行き届いた箱庭のように人工的に快適なものが幅を利かせていた時代に、彼等は、剛速球のストレート一本で真っ向勝負に挑むようなロックンロールで勝負をかけたのだ。それは、どこか人の目を気にしてかっこつけなきゃ、人に合わせなきゃと汲々としていたあの時代に、痛快な衝撃を与えてくれていたのだ。
「ロイヤル・ストレート・フラッシュ・ロックンロール」だなんて、一歩間違えばダサダサのロック賛歌だけど、下手すりゃ周りからカッコワルイと揶揄されるようなことも、真正面から堂々ストレートにやってしまえばカッコよさに転じてしまう、そんなパラドックスを垣間見る気がする。ただのジョークと紙一重の、時代錯誤とも言われかねないシンプルでストレートなロックンロールをメいっぱいマジで、しかし暑苦しくもうさんくさくもなく、時には自分たちを嗤う余裕すらみせつつ、スケールのでかいロックをプレイしていた彼らが好きだった。

どうもパッとしない日々が続く。なんというか、社会全体を覆ったモヤモヤ感というか、漠然とした不安というか。具体的な敵を想定して攻撃することは容易いけれど、その刃がいずれ自分自身にも返って来る怖れというか、考えた末にこんがらかって、フリーズするパソコンみたいに思考停止に陥ってしまうような感じ。あー、すっきりしない、と大声で叫びたくなるけれど、それはそれで次の波紋を呼ぶことになるので黙ってしまう。

こんな気分の時には、馬鹿みたいに単純でストレートで能天気なロックンロールに身を委ねてしまうのがいい。
彼等のロックンロールから、“本気かジョークか、ロックなんてたかがそんなもん、ついでに言やぁ人生も!”…そんなメッセージが聴こえてくる気がする。 そのアティテュードに、励まされ、ケツ叩かれ、背中を押されて、今日一日を闘うエネルギーをもらうのだ。

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♪Royal Straight Flash R&R
生まれたときから世間につまはじき
そんな俺を見て親父はうなだれた
Royal Straight Flash R&R
土砂降りの夜に黙って飛び出した
空のポケットに夢だけ放り込んで
さまよい続けるぜ
Royal Straight Flash R&R

指図は受けないぜ
俺にはこれだけしかできないのさ
取り残された古いモラルに
つばを吐きかけるぜ NoSurrender

埃にまみれたバックストリート通り抜け
情け容赦なくここまできたのさ
Royal Straight Flash R&R
裏切ったまま死んじまった親父の
下手な口笛が離れないけど
転がり続けるぜ
Royal Straight Flash R&R

傷を押さえたまま
ひざを抱えてばかりじゃいけないぜ
はいつくばっても暗闇の中
叫び続けてやる  NoSurrender

No Surrender Keep on Rock'n'Roll
No Surrender Keep on Rock'n'Roll
No Surrender Keep on Rock'n'Roll

指図は受けないぜ
俺にはこれだけしかできないのさ
研ぎ澄まされた時間の中で
つばを吐きかけ
はいつくばっても
転がり続けるぜ NoSurrender

Keep on
Keep on

No Surrender Keep on Rock'n'Roll
No Surrender Keep on Rock'n'Roll
No Surrender Keep on Rock'n'Roll

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RED WARRIORS - CASINO DRIVE (LIVE AT BUDOKAN 1988)

SION / 早く帰ろう

螢
SION



今週はなんだかとても疲れた。働きすぎだ。
何曜日の何時かわからないくらい、ふらふらになるまで働いた。少し眩暈がした。やり切れると思っていた仕事は、蓄積疲労でペースが落ちて、結局終わらなかった。
何とか間に合った終電で家にたどり着き、コタツでビール飲みながら、落ちるように眠ってしまった。

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早く帰ろう
今日はもうヘトヘトだ 早く帰って眠りたい
少し喋りすぎたし はしゃぎすぎたし 疲れた
電車は今日もすしづめ 見るでもなく車内ずり
二人の 二人の門出はドラマチックにと そりゃよかった

昨日泣いてこぼした 彼女はきっといまごろ
いつもの笑顔をかむって そこぬけに明るくガンバレヨ
なにしろ早く帰ろう まっすぐ帰ろう こんな日の
寄り道がつつんでくれる オミヤゲはロクなもんじゃない

お前がいたらいいけど 今夜一人のほうがよさそうだ
冷てぇビールを飲んで のんびり テレビでも めくって

今日はもうヘトヘトだ 早く帰って眠りたい
あとちょっと ちょっとのガマン このいまいましい電車を降りて

そういえば10年前 朝のラッシュにがまんできずに
せっかくきまった会社の 書類をゴミ箱になげすてて
どっかへいっちまった あいつはいったいどうしてるだろ
もしかしたらとなりの車両で だまって目をつむってるかもしれない
なにしろ早く帰ろう まっすぐ帰ろう こんな日の
寄り道がひく引き金に なにひとついいことはない