音楽と人生に関する一考察

上田正樹と有山淳司 [ぼちぼちいこか]

ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)ぼちぼちいこか
上田正樹と有山淳司
1975

俺の借金 全部でなんぼや
お好み焼屋の ゆうちゃんから 5000円 借りてきて
全部 パチンコで 負けてもたから
乾物屋の中西に 8000円 借りた
そやから ゆうちゃんに 3000円 返して
2000円 だけ 競馬をやったら
19000円 勝ってしもた
そのなかから 6000円 乾物屋の中西に返して
残りで 飲みにいったら
3600円 足れへんかった
馴みの店やし 明日払うわ 言うて
帰りに車代 1000円 借りた
途中で アルサロの くんちょうに会った          
くんちょうが ポーカーをしようと言うたので
おかまの五郎ちゃんと 朝まで やってしもた
結局 5000円 負けてしもた

あくる日 有山に 6000円 貸した中から
なんぼか 返してくれと言ったら
3200円 返してくれた          

俺の借金 全部でなんぼや
俺の借金 全部でなんぼや
俺の借金 全部でなんぼや

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大阪人=ヤクザ、お笑い、商売人・・・などと揶揄されていた時代がもう遠い昔に思えるほど今や大阪弁は全国区で認知された感があるけれど、それよりもっとずっと昔に、大阪弁でカントリィブルースを邦訳していた男たちがいた。上田正樹と有山淳司の『ぼちぼちいこか』。このアルバムの「とったらあかん」とか「俺の借金全部でなんぼや」の笑いの取り方は大阪人ならではの感がある。検索してみたら、この曲を取り上げて「で、本当は借金はいくらなんでしょう?」とクイズを出すようなブログの記事が思いのほかたくさんあった。それくらい耳に残るインパクトのある歌ではあるが、単なるコミック・ソングではない。この曲のテーマは、つまりは、ユーモアの向こうに滲み出る、どん底の暮らしの悲哀。
1900年代初頭アメリカ南部で生まれたブルースは、そもそもは奴隷労働に従事した黒人たちの、癒しと慰めと憂さ晴らしのため音楽であるわけで、そこには世の中の底辺から見た怒りや笑いがある。もはや笑うしかないほどせっぱつまったどん底の暮らしの中で育まれてきた、それがブルース。上田と有山がこのレコードで表現したのは、スタイルとして真似してみただけののブルースではなく、ブルースのスピリットそのものだったのだ、と思う。

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♪あこがれの北新地

コメント

私もきょうはサウスのライヴの記事を書いてみました。
笑うしかないどん底の暮らしの中の音楽という洞察はさすが♪
3月で完結なんてもったいない。最近知ったばかりですのに。

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プロフィール

Author:goldenblue
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音楽から人生へのいろんな示唆を受けてきた。音楽から得たインフルエンスやインスピレーションを通じて人生の機微を語ってみたいと思った。もっとも、文章で語れない想いだからこそ音楽で表現するのであるからして、到底うまく語ることなどできっこなかったのですが。

『音楽と人生に関する一考察』は
2008年3月にて
一旦完結しました。

2008年4月より
『日々の糧と回心の契機』へ

**************

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